三条市は31日午前9時から市役所で平成27年度退職者辞令交付式を行い、同日付で退職の定年退職41人と普通退職や割愛などを含む計57人に辞令を交付した。
国定勇人市長が一人ひとりに辞令書を読み上げ、「長い間本当にありがとうございました」と言葉を添えて手渡した。辞令書を受け取った退職者は、理事者に礼をして振り返り、退職者席とその後ろで見守る後輩職員たちに「お世話になりました」、「みなさまありがとうございました」と感謝の言葉を伝えた。
国定市長はあいさつで、「たった1行の文面で、あすからは仕事という間柄ではまったく無縁の存在になってしまうということが切なく、もどかしく感じている」、「あらためて長きにわたって三条市政の発展のために、その礎を築いてこられました皆さま方に、三条市の職員、三条市民を代表いたしまして、心から心から感謝申し上げたい」と礼を述べた。
体の管理には十分に気をつけて、第2、第3の人生を進んでほしいと門出を祝い、後進が困ったときには、よき先輩として引き続き三条市政のために貢献を願った。
ハンカチをポケットから出して市長のあいさつを聞いた若山裕総務部長が、退職者を代表して謝辞を述べた。職員として背中を追ってきた副市長や教育長に見守られるなか、「11年前に公務員とはなんたるかをあらためて教えてくださった、そしてそれ以降の私の公務員人生を奥深く濃密なものに変えてくださった国定市長さんから、私の公務員人生最後の節目であるに退職辞令の交付をいただいたことは、これ以上ない喜び」と述べた。
退職者それぞれに思いがあると振り返り、「初めて役所に幾晩も泊まり込むことになった麻布の土砂崩れ。防災面の対応のみならず、行政の意義そのものについて深く考えさせられた7.13水害。20近い年の差を精いっぱい我慢しつつ、老体にむち打って当時31歳の国定総合政策部長らとやっとついていってつくりあげた経営戦略プログラムなどなど忘れられない数多くの思いが胸に去来します」。
多くの先輩たちは達成感と満足感を口にしていたが、自身は「あのときにしっかり考えておけばよかった」、「失敗で迷惑をかけた」など冷や汗の出る思いであり、唯一、ほめてもいいこととして「少しくらいの失敗や批判にへこたれることなく前を向いていようと、せめて、そのふりはしようとやせ我慢を続けてきたことくらいです」と明かし、「こんなわたしが、本日こうやって大過なく勤めを終えられる事ができたのも多くのよき先輩、同僚、後輩の皆さまに恵まれたことです」と感謝した。
後輩には「三条市民の暮らしは自分たちが守るんだと言う気概と誇りと責任をもって大活躍されますことを」願い、言葉を詰まらせながらも締めくくると、大きな拍手が起こった。
退職者は集まったまった職員の盛大な拍手に送られて退場し、各課へのあいさつや記念撮影のあと、理事者や関係部長らとの会食をして退庁した。