業務用厨房用品の卸商社、株式会社エムテートリマツ(燕市物流センター2)の代表取締役、鳥部一誠さん(50)は、2月1日に80歳で亡くなった父、勝敏さんの香典返し代わりや社会への感謝の気持ちも込めて4日、燕市に100万円を寄付した。
鳥部さんは母カツさん(77)とふたりで市役所を訪れて市長に目録を手渡した。鈴木市長から感謝状を受け取ったカツさんは「いくらもないのにすみません」と逆に頭を下げた。
カツさんは、勝敏さんが風呂で倒れたり、たんがのどにからんだりしたときにすぐに救急車が駆けつけてくれ、1,700回登った弥彦山登山中に転んで気を失ったときもヘリコプターで運ばれたりと4度、助けられたことを話し、「いろんなことがちゃんとできてるんだなと思った」と感謝した。
鈴木市長も弥彦山登山が好きで、登山中に勝敏さんに会うことが良くあり、「わたしが下りてくると下から上がってくるみたいな形で、五合目くらいで会うのかな」と振り返った。
カツさんは「おかげでさまでいい人生を送ってもらったし、わたしも幸せでした。とても感謝してます。ありがとうございました」と繰り返し感謝した。
燕青空即売会を立ち上げた立役者でもあり、2年前までずっと実行委員長を務めた。カツさんは「立てなくなったりしたときはふたりで抱き合って泣きました」、鳥部さんは「親父は死なないと思ってましたけどね。死ぬんですよね、人ってね。当たり前ですけど」と振り返った。昨年の飛燕夏まつりでは子どもと孫がそれぞれ勝敏さんのためにメッセージ花火を上げて勝敏さんに見てもらった。
寄付について鳥部さんは「有意義なものにしていただければいい」と言い、市ではいったん社会福祉事業基金に積んで使い道を検討する。