第64回日本観光ポスターコンクールの審査結果が6日発表され、「燕三条 工場の祭典」実行委員会(山田立実行委員長)が初めて応募した昨年のポスターが総務大臣賞を受賞した。
公益社団法人日本観光振興協会主催で1947年から開かれている歴史あるコンクール。今回は1月8日までに全国から203作品の応募があり、48作品が第一次審査を通過。この48作品を対象に写真家の宮澤正明氏、デザイン活動家のナガオカケンメイ氏、グラフィックデザイナーの左合ひとみ氏で審査した。それとは別にインターネットを通じて投票するオンライン投票部門の順位が決まった。
その結果、国土交通大臣賞は『江ノ電で、会いにゆく。』(小田急電鉄株式会社:東京都)、それに次ぐ総務大臣賞を『第3回「燕三条 工場の祭典」ポスター』が受賞した。このほかに観光庁長官賞と日本観光振興協会会長賞が1作品ずつ、審査員特別賞2作品、入賞3作品が決まった。
燕三条地域のものづくりの現場を公開する産業観光イベント「燕三条 工場の祭典」のポスターは株式会社スプレッド(東京都渋谷区上原)が制作する。第1回と第2回の工場の祭典のポスターはサインやロゴをデザインしたが、昨年の第3回は2種類のポスターを作成し、一方はこれまでと同じ方向性のデザインだが、もう一方は工場内をピンクのストライプでプロジェクションした写真をデザインし、工場の祭典のイメージを直接、表現した。
それもあって初めて同コンクールに応募した。ほかの応募作品はほとんどが観光地の美しい風景写真をデザインしたもの。これで同じ土俵に乗れると応募したが、それでもほかの応募作品にはない産業観光を目的としたポスターなので、毛色がまったく異なる。
今回のポスターについて三条市の担当者は「工場に人を呼び込みたいと願ってきたが、3年間、使って定着してきたピンクストライプの新鮮な見せ方ができたと思う」とし、「工場が見学観光として位置付けられたことで発信力も高まり、産業観光を促進につながることを期待する」と話している。