市内の一部が原子力発電所から30km圏内の避難準備区域(UPZ)に指定されている燕市は、『燕市原子力災害対応ガイドブック』を作成して広報紙4月1日号とともに市内に全戸配布した。
A5判、26ページの携帯しやすいサイズの冊子。原子力災害が発生したときにどう行動したらいいか、放射線とはどのようなものかなどをイラストや表を多く使ってわかりやすくデザインした。
燕市では、大河津分水路左岸地区の渡部、真木山、幕島、大川津興野、下中条が柏崎刈羽原子力発電所から30km県内の避難準備区域にしていされており、避難準備区域とそれ以外の市内全域にわけて原子力災害の事態の進展に伴う屋内退避や避難の開始といった対応をチャートで示している。
正確な情報の入手、屋内退避ときにとるべき行動、自宅外での対応、避難指示が出たときの対応、安定ヨウ素剤の服用や放射生物質を検出するスクリーニング、東日本大震災で燕市内に避難した人たちなどに聞いた体験者の話、日ごろからの備えなどを収録。裏表紙には家族の連絡先、わが家の避難所、持ち出し品チェックリストを記入欄も設けた。
安定ヨウ素剤の配布方法、配布場所などはまだ国や県から示されていないため、知識だけの情報にとどまっている。
避難準備区域に指定されている県内のほとんどの市町村が独自に原子力災害に対応した同様のガイドブックを作成している。
東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故を受けて、燕市でも国や県、県内の市町村とともに原子力災害の対応や防災の取り組みを進めている。
ことし県が原子力防災訓練を行うときには燕市でも訓練の実施を検討する。東日本大震災以来、柏崎刈羽原子力発電所は運転を停止しているが、停止中でも原子力災害のおそれがある。