日本棚田百選に認定されている三条市下田地区の「北五百川の棚田」では、カタクリの花が例年より2週間ほど早く満開となり、サクラや残雪の粟ヶ岳とあわせて散策に訪れる人を楽しませている。
北五百川の棚田は、下田地域の八木ヶ鼻や日帰り温泉施設「いい湯らてい」から粟ヶ岳登山道のぼり口に向かう近くにあり、粟ヶ岳や守門岳を望む斜面に棚田が連なる。
39年前にその一角の雑木林を伐採すると、それまで茂っていたササなどに代わってカタクリが育つようになった。今では3本のサクラの木の下に群生する。残雪の粟ヶ岳を背景に薄紫色のカタクリの花が一面に広がる風景は感動的ですらあり、訪れる人を驚かせ、和ませる。
ことしは雪が少なくて気温が高く、例年より2週間ほど早い4月初めに咲き始めた。4月下旬のゴールデンウイーク前に満開となる年が多いが、ことしは4月を折り返す前にすでに満開から終盤に差し掛かっている。
13日は花曇りながら初夏を思わせる陽気となった。新聞で紹介されたこともあって朝から見物客が切れ目なく訪れた。粟ヶ岳の残雪も例年より少ないようだ。訪れた人たちは「カタクリとサクラと粟ヶ岳と。すばらしいね」と、何度もカメラのシャッターを押していた。
周辺は粟ヶ岳や守門岳以外に雪は見当たらなかったが、2日前の11日は名残り雪が棚田を覆った。棚田の一部を管理する佐野誠五さんによると、4月に雪が降ることもあるが、カタクリが満開になってから雪に覆われたのは初めて見たと、貴重な風景を写真に残していた。
棚田付近の路上駐車は民家や農作業の妨げになるので、川沿いに用意された2つの駐車場を利用してほしいと呼びかけている。