全国から見物客を集める燕市分水地区の春の名物行事、第74回分水おいらん道中が17日行われた。雨の予報で3年ぶりに屋外から燕市分水総合体育館に会場を移して絢爛(けんらん)豪華な春絵巻を繰り広げた。
大河津分水路の完成を祝って土手にサクラが植えられ、満開のサクラ並木を舞台にしたおいらん道中。毎年、全国から見物客を集めている。
ことしも大河津分水桜並木と商店街の地蔵堂本町通りで行われる計画だったが、雨の予報で燕市分水総合体育館に会場を移した。雨はたいしたことはなかったが、被害が出るほどの強い風が吹き荒れ、会場変更は正解だった。
見物客を入れ替え制にして4回に分けておいらん道中を行った。おいらん役は公募のあった64人からで選ばれた信濃太夫の新潟市の佐野みどりさん(26)、桜太夫の東京都のハンセン・アネッテさん(27)、分水太夫の燕市の霜鳥あゆみさん(30)が務めた。アネッテさんはノルウェー人で、おいらん役に在日外国人が選ばれたのは初めてだった。
ステージで分水太鼓の演奏で幕開きし、生演奏のはやしが響くなか、総勢70人の行列が体育館を時計回りに進んだ。途中、行列を止めておいらん役は外八文字の歩き方を披露。腰を下げて高げたを寝かせながら後ろの足をゆっくりと外へ大きく振り出して前へ運ぶと、見物客はあでやかな姿をいっせいに写真に撮り、拍手でわいていた。
地蔵堂本町通りと大河津分水桜公園に出店した飲食物販テント「ツバメルシェ」の64店はさんざんで、午前10時から午後4時までの店開きの予定だったが、強風でテントが吹き飛ばされそうになり、危険なため午後1時前に撤収した。
撮影用のおいらん衣装を着て写真を撮ることができる「おいらん変身コーナー」では、五泉市に住むカナダ人女性がカナダから訪れていた友人の女性3人と参加し、衣装の重さなどを実感し、日本の美を体感していた。