2020年東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン構想に登録された燕市は19日、モンゴルのパラアーチェリー協会と事前合宿の覚書に調印。リオデジャネイロ大会に向けてことし夏にも燕市で合同練習が行われる。
午前11時から市役所で調印式を行った。モンゴルからパラアーチェリー協会会長で北京五輪パラリンピック金メダリスト、ダンバドンドグ・バータルジャブさんをはじめ、同協会事務局長やモンゴルの保健スポーツ省の担当者ら4人が出席。燕市からは2020東京オリ・パラホストタウン燕市推進委員会(会長・鈴木力燕市長)の委員ら合わせて30人余りが出席した。
バータルジャブさんと鈴木市長が覚書に調印し、握手。バータルジャブさんは「ただパラリンピックに参加するだけでなく、覚書を締結したことはわたしたちの国でも歴史に残る大変に光栄なことでうれしく思う」とあいさつした。
鈴木市長は東京五輪に向けて産業面から取り組みを始め、今回の事前合宿が決まり、さらにことしのリオ大会でも燕市での合同練習が計画されたことに、「4年後でなくことしから交流が始まるということで県内でも先駆けての取り組みとなる。ぜひとも成功第一号にしたい」とし、アーチェリーの矢の先端を燕で作ってる会社があることにもふれ、「いろんな交流の展開ができる期待感をもっている」と話した。
政府は東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン構想を提唱し、合宿地などを全国の自治体に公募している。新潟県はモンゴルをターゲットにホストタウン構想を推進するなかで燕市がアーチェリーの誘致していることを知って話が進み、県、新潟市、長岡市、五泉市、弥彦村と合わせて6自治体で提案する「モンゴル・新潟交流促進プロジェクト」としてホストタウンに登録された。
燕市は2020年東京パラリンピックに向けたアーチェリーの事前合宿誘致を進めてきたが、ことしのリオデジャネイロ大会に向けた合同練習も燕市で行うことに決まり、それらについて覚書を交わした。
ことしのパラリンピックには、モンゴルからバータルジャブさんともうひとりの選手が出場。その2人を含む選手7人と指導者ら2人の9人が7月27日から8月15日まで燕市吉田アーチェリー場などで合宿。県立吉田高校アーチェリー部や市内外の競技者との交流も予定している。
一行は調印式のあと、燕市の金属製品が有名ということで急きょ、市内の「藤次郎ナイフギャラリー」を見学してから練習を行う燕市吉田アーチェリー場や隣接のビジョンよしだを視察。アーチェリー場は南に向かって矢を射ることになっていることについてバータルジャブさんは「なぜ、南向きなのか」と質問し、「アーチェリーの選手は目をよく使うので、太陽の光が目に当たらないようにしている」と指摘した。
また、地面に段差があることから「車いすでも入りやすいようにしてほしい」と要望したものの、「自分がイメージしたよりもすばらしい。練習を楽しみにしている」と話していた。夜は燕市内でのレセプションに出席する。