熊本地震の被災地に救援物資をボランティアで輸送しようと呼びかけていた運送業のマルソー株式会社(三条市月岡・渡辺雅之社長)は19日、届けられた飲料水や紙おむつなどを大型トラック3台に積み込み、被災地に向けて出発した。
救援物資を16日から19日午前11時まで受け付け、個人や企業など約300件から飲料水やおむつ、カップ麺や毛布など大量の善意が寄せられた。
前日18日までに三条市、十日町市、魚沼市、南魚沼市の4市と三条市と災害協定を結ぶ三重県菰野町から、三条市長が代表世話人を務める「地方を守る会」の会員の熊本県大津町、甲佐町、山都町の3つの町に飲料水やアルファ米などの救援物資を運ぶ要請を受けた。
そのため急きょトラックを2台、増便。予想を上回る大量の物資が寄せられ、被災地は交通網が寸断していて3つの町を回には時間のめどが立たないことから、1台ずつ目的地に直接、向かうことにした。
19日午後、三条商工会議所青年部、燕三条青年会議所のメンバーも手伝って13トンの大型トラック3台に積み込み、夕方に熊本に向けて出発した。
3台のうち甲佐町へ向かう1台は2人のドライバーが交代で運転し、翌20日午後の到着を目指し、急きょ増便した2台はドライバー1人が仮眠をとりながら運行することから21日朝の到着予定だ。また、1台は途中で待機している三重県菰野町の救援物資も積み込んで被災地へ向かう。
今回、同社に寄せられた救援物資は、三条市や燕市を中心に県内外から寄せられており、遠くは長野県長野市や福島県福島市から車で駆けつけた人もいた。なかには、東京在住者から「三条まで行くことはできないので、現金を救援物資に代えてください」とのことで、ツイッターで活動を知ったという複数の人が寄せたという現金20万円余りが送られ、同社で飲料水など指定された物資を購入して加えたケースもあった。
午後3時半過ぎに同社で行った出発式で渡辺社長は、急な要請を引き受けてくれたことに感謝するとともに「社会的責任を負い、皆さんの思いを安全、迅速に届けてください」とあいさつ。ドライバーを代表して渡辺社長の長男で、陸上自衛隊・新発田駐屯地本部管理中隊を満期除隊し、予備自衛官でもある渡辺惣太さん(25)が「県民の思いを、迅速かつ安全に届けてまいります。行ってまいります」と答え、トラックに乗り込んだ。