熊本地震の被災地に三条市内外の大勢から寄せられた救援物資を届けたマルソー株式会社(三条市月岡・渡辺雅之社長)のトラック1台が、21日夕方、任務を終えて同社に戻った。
同社でボランティア輸送しようと、16日から19日まで救援物資の受け付けを呼びかけて、300件以上の個人や企業、団体などからの物資と三条市、十日町市、魚沼市、南魚沼市、三重県菰野町からの物資を13トン車3台に分けて19日夕方、三条市を出発。3台は「国定勇人三条市長が会長を務める「地方を守る会」会員の熊本県の甲佐町、大津町、山都町の3自治体にそれぞれ向かい、21日夕方甲佐町に救援物資を届けた1台が同社に戻った。
ドライバーを務めた渡辺惣太さんと川俣遼平さんの2人は、前日20日午後5時に甲佐町役場で荷卸しを完了。帰りは高速道路に入るまでの一般道の渋滞がひどく、行きより4時間ほど長い約24時間かかって帰着した。
甲佐町役場では「待っていたよ」と迎えてもらい、職員など15人ほどが荷卸しを手伝ってくれた。「ありがとう」、「お疲れさま」と、新潟から来てくれたことに感謝の言葉をもらった。川俣さんたちも「その優しや感謝の気持ちに、こちらが勇気づけられました」と話した。
役場付近は、倒壊している建物などは見なかったが、道路はいたるところで起伏や陥没があり、橋が通行止めになっていたりと道路状況は悪く、車は幹線道路に集中して渋滞が発生。渋滞による事故も起こっていた。
甲佐町役場は、避難所ではなかったことから避難している人の様子はわからなかったが、スーパーや公共施設などの駐車場には、避難生活をしているとみられる車がたくさんあった。
役場自体に混乱した様子は見られず、物資は届き始めていると感じた。電気は通ってきており、今後は生活用品など必要な物資も変わっていくと予想されるが、依然として給水所が設けられており、水が足りていないと話していたという。渡辺さんたちは、「わたしたちにはできないことだが、風呂に入れなくて困っていた」と、甲佐町の様子を話していた。
2人の出迎えを終えた渡辺社長は、今回の救援物資の呼びかけについて「感動しました」。皆さんの思いが強く、動きも早いと言い、「ありがとうございました」と呼びかけに応じてくれた多くの人たちに感謝した。さらに「これで震災が終わったわけではないので、引き続き、できることを考えていきます」と話していた。