国土交通省北陸地方整備局は16日、燕市・信濃川河川事務所大河津出張所構内の大河津分水工事殉職之碑前で第81回大河津分水殉職者慰霊式を行い、1909年(明治42)に始まった大河津分水路工事とその後の補修工事や維持管理作業などで殉職した100人のめい福を祈った。
慰霊式は、大河津分水改修促進期成同盟会の市町村の首長や関係機関、地元選出の国会議員など50人近くが出席し、たくさんの花が供えられた殉職之碑に向かって、黙とうや献花を捧げた。
信濃川河川事務所大河津出張所の北沢茂樹所長は式辞で、江戸時代からの悲願だった大河津分水路では、明治42年から大正11年までの初めて通水する工事で84名、さらに自在堰完工後の維持管理工事などで16名の合わせて100名が殉職されたと話し、「大河津分水路の工事で殉職されました100名の御霊に対し、安らかなるご冥福をお祈りします」。また、昨年度の抜本的改修の着手に加え、ことしは大河津分水路建設の契機となった「横田切れ」から120年となる節目の年とし、「これからも大川津分水路の改修に係る調査設計を鋭意進めるとともに、できるだけていねいに地域の皆さまに進捗状況をご報告させていただきたい」と話した。
北陸地方整備局の藤山秀章局長はあいさつの冒頭、「昨日、一昨日の熊本での地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方をお見舞い申し上げます」と述べて始めた。「信濃川の治水の要となる大川津分水路が引き続き地域の期待に応えられるように、今後とも地域の皆様にていねいにご説明し、改修事業の進展にいっそう努力してまいりたい」と引き続きの協力を求め、「建設に携わった方々に感謝しつつ、今後とも地域の安全確保に全力を尽くしてまいります」と決意を新たにした。
来賓の国会議員は、細田健一衆院議員、漆原良夫衆院議員、鷲尾英一郎衆院議員があいさつしたほか、長島忠美衆院議員、菊田真紀子衆院議員などが出席。続いて、大河津分水改修促進期成同盟会会長の篠田新潟市長、信濃川・中ノ口川治水事業促進期成同盟会会長の国定勇人三条市長、大河津分水慰霊式協賛会会長の鈴木力燕市長があいさつ。献花を行って閉式した。