三条市は27日、全国市長会の要請に基づいて熊本地震の被災地で家屋被害認定などを行うため、翌28日から熊本県宇土市へ順番に派遣する5人の職員の出発式を行った。
28日から5月31日までの5週間、5人の職員を1週間交代で順に派遣する。派遣する職員は、過去に中越地震や中越沖地震、東日本大震災で千葉県、長野県北部地震で十日町、水害被害の京都などで家屋被害認定にあたった当時の税務課職員。
出発式で国定勇人市長は、家屋被害調査以外の仕事を与えられる場面もあるかもしれないが、過去に大きな水害を2度受けた三条市として、しっかりと被災者に寄り添う気持ちで任務にあたってほしいと健康への留意とあわせて求めた。
職員は一言ずつ抱負を述べた。最初に任務に就く税務課の土田尚彦主事(28)は、「被災地の方々の力になれるよう、自分のもっている力を精いっぱい出し切ってきたい」。
環境課の藤田俊也係長(41)は「三条市役所の代表として熊本の1日も早い復旧と復興のために微力ながら取り組んできたい」、農林課の山田正明主任(45)は「三条市は2度水害に遭い、全国から支援をいただいている。その恩返しもできることもあわせて頑張ってきたい」、環境課の橋崎裕樹主任(37)は「過去の被災地での調査の経験を生かして全力で頑張ってきたい」、福祉課の森山泰行係長(40)は「熊本の方のお役にたてるよう頑張ってきたい」とそれぞれ話した。
宇土市は熊本県のほぼ中央に位置し、熊本市と宇城市に隣接。熊本平野の南縁で有明海と八代海を二分する宇土半島の基部に位置し、16日未明の地震で震度6強の揺れを観測している。
国定市長は、宇土市役所が倒壊の恐れで庁舎に入れなくなったことにふれ、「変な話、万が一の場合、三条市役所がなるかもしれない」とし、任務を全うするのはもちろんだが、本庁舎が被害を受けたときに業務やシステム、どういう仕事をしているのかも見てきてほしいとも求めた。
翌28日から宇土市で任務に就く土田主事は、出発式のあとすぐに新潟空港に向かい、福岡空港へ飛んだ。九州新幹線で熊本に入ったらレンタカーで宇土市へ向かう。宇土市内の宿泊施設はいっぱいなので近隣の下益城郡美里町の旅館の大広間に宿泊することになっているが、状況がわからないため寝袋を持参した。