ダイハツ工業の軽オープンカー「コペン」に三条市のものづくりの技術を注ぐ「LOVE SANJO PROJECT」から生まれたカーゴトレーラーが、公道走行に必要な陸運局の登録を完了したことから9日、完成発表会が開かれた。カーゴトレーラーの販売価格は未定だが、130万円から150万円で秋の「燕三条 工場の祭典」には受注を開始したい考えだ。
プロジェクトは、コペンのデザインにもあたった「znug design(ツナグデザイン)」のデザイナー根津孝太さんが2013年秋の「燕三条 工場の祭典」でミニ四駆工作教室の講師として三条市を訪れたのが始まり。国定勇人三条市長とも会い、ダイハツの当時チーフエンジニアだった藤下修ブランドDNA室室長に連絡し、1年後の14年秋には三条市と三条商工会議所、三条工業会、首都圏のクリエーターや大学などの専門家も含む産官学で「LOVE SANJO」プロジェクトが立ち上がった。
ダイハツと連携してカーゴトレーラーとあわせてCFRP(炭素繊維強化プラスチック)と金属のハイブリッドボンネットを開発した。カーゴトレーラーは1年以上前から公開しているが、公道を走れるようになったことから三条商工会議所であらためて走行会を兼ねた完成発表会を開いた。
三条市CFRP研究会の外山裕一会長が完成までの経緯を話したあと、トークショーで根津さんをコーディネーター、ダイハツの藤下室長、国定市長、三条工業会一社一品一押委員会の長谷川直哉委員長をパネリストに「LOVE SANJO × LOVE LOCALによるブランディング」のテーマで話したあと、走行会を行った。
これまでも展示は行っているが、ほとんどの人が走行しているところ見るのは初めて。国定市長を皮切りに出席した関係者は順にハンドルを握った。色鮮やかなジョーヌイエローのボディカラーのコペンが、同色に塗装されたカーゴトレーラーを引いて走り出すと誰もが自然と童心に返ったように笑顔になっていた。
国定市長は「トレーラーが後ろにくっついているからということで、特別な運転をする必要はない」。「トレーラーをけん引しているという感覚をもたない」と絶賛した。