三条市・八幡宮の春季例大祭の行事として5月15日に行われる三条祭りの大名行列に向け、行列を先導する奴(やっこ)を演じる三条先供組合(赤坂一夫会長)は、ことしも10日夜から本格的な練習を行った。
三条の大名行列は十万石の格式と伝わる。400人近くの隊列を編成して15日午後0時45分に八幡宮を出発し、目抜き通りを行列する。ことしは5年ぶりに日曜にあたり、大勢の見物客が見込まれる。
行列の先頭の鉄棒、露払いに続く先供は、さまざまな道具を持つ。先箱(さきばこ)、長柄(ながえ)の傘、鳥の毛を植えた槍(やり)のさやの大羽熊(おおはぐま)、金の玉といわれる投鞘槍(なげさややり)、袋をかぶせた天目槍(てんもくやり)、台傘(だいがさ)、立傘(たてがさ)、手杵傘(てぎながさ)で、2人1組でたがいに道具を投げて受け渡しながら進む。
ほとんどの道具は、長い柄の先の方が重く、投げ手と受け手のコンビネーションが重要。本番では、投げられた道具を落とさないように足を踏ん張って受け取ると、沿道の観客から歓声や拍手がわき、静かに進む行列のなかでは最も動きのあるパートだ。
先供を演じる同組合では、毎年5月1日に八幡宮で顔合わせを兼ねて練習始めを行い、10、11、12の3日間、市内の小中学校のグラウンドなどで午後7時から2時間、本格的な練習を行っている。
初日10日、小雨も降るなか、旧第一中学校のグラウンドを練習場に練習を開始。会員は20歳代から60歳代で、新人として今井将智さん(24)と滝沢亭哉さん(24)の2人が加わり、登録メンバーは計50人。
この日は30人余りが参加。本番の道具にみたてた練習用の道具を使い、ベテランからの指導を受けて1年ぶりの感覚を取り戻そうと繰り返し練習した。
近年は、本番の15日が平日で仕事を休むことができない場合もあって参加者が少なく、交代要員の確保も厳しくて道具を減らす年もあるが、ことしは日曜とあって例年以上の35人が参加する予定。すべての道具を使って祭りを盛り上げる。