13日明け方、三条市中新地内でクマが目撃されたのに伴い、三条市ではその周辺にクマに対する注意喚起のちらしを配布するとともに、地元の小中学校では児童生徒の安全を確保するため早めの下校も検討した。
午前5時20分ころ、三条市中新地内の五十嵐川右岸堤防を散歩していた目撃者の男性によると、体長約60センチのクマが五十嵐川左岸の道心坂付近から川を渡り、右岸の中新地内の神明宮境内に入り、逃げていった。神明宮の隣りには大崎浄水場の取水場があり、クマは神明宮との間を通っていった。
この目撃情報とは別に、旧国道289号の県道331号三条下田線や篭場地内の小川屋、篭場交差点付近でクマが目撃した人いた。同じクマと見られ、ほかに目撃情報がないこともあり、その後は山手に入っていた可能性が高い。体格から成獣ではなさそうだ。
三条市はクマに対する注意喚起のちらしを作成し、目撃情報のあった場所を中心に中新、篭場、麻布、東大崎などに配布した。クマが目撃された場所が学区にあたる三条市立大崎小学校と同大崎中学校にも連絡。今春、県内で目撃されているクマは、朝夕に出没していることから、両校とも夕方になる前に下校時刻の繰り上げも検討している。
新潟県猟友会三条支部にも連絡した。山手でクマの出没が多い下田地区では5月2日から捕殺の許可が出ているが今回、クマが目撃された三条地区では許可を受けていない。三条署は五十嵐川左岸の月岡地内を含め両岸でパトカーで注意喚起の広報を行った。
神明宮付近に住む女性は、クマが目撃されたことを朝のパトカーの広報で知り、「怖いですね」と話した。
例年、クマの目撃情報が冬眠前の秋に多いが、昨年はクマのえさのブナの実が豊作で繁殖が盛んだったのか、この春は例年と比べて目撃情報が増えている。
三条市では今年度、これまで下田地区で3件の目撃情報があり、今回が4件目、三条地区では初めて。