14、15の2日間行われている三条市・八幡宮の春季大祭を前に、ことしも地元にゆかりの有志8人でつくる敬神会は14日、新しい鈴緒をこしらえ、ぴかぴかに磨き直した鈴とともに八幡宮に奉納した。
敬神会は年に一度、このためだけの組織。5月1日に拝殿の鈴を下ろして磨き、新しい鈴緒を編んで奉納する。始まりは良くわからないが、鈴には「昭和47年5月吉日」とある。
メンバーは36歳から76歳までの8人。ことしも溶接業白井元明さん(75)=三条市八幡町=の仕事場に集まった。ことしは土曜にあたったため、例年より1時間以上繰り上げて午前11時に作業を始めた。
鈴を磨く当番は会員が順番に担当し、ことしは作業会場の白井さん。まったくといっていいほど光沢を失っていた鈴をこの2週間、研磨剤を使って顔が映るほどぴかぴかに磨き上げた。
鈴緒は三つ編みのように編むのではなく、3本を同じ方向にしぼるようにねじることで、摩擦力だけで1本の太い綱になる。「よーいさっさっ、よいやさっさっ!」のかけ声で拍子を取って3本の束を3人が1束ずつ持って力いっぱい引いては左隣りの人に束を渡して編み進める。最後に鈴緒のいちばん下を結び、毎年寄付してもらっている組みひもの房をつけ、麻ひもを垂らして完成した。
午後1時半ころに鈴緒が完成すると、ことしは初めて地元八幡町からから祭りはんてんを着て、鈴を鳴らしながら八幡宮へ運び、鈴と鈴緒を神前に供えてみんなで参拝。はしごに登って拝殿の屋根の下に取り付けて完成し、会場を移して祝宴に移った。