日本人初のアルペンスキー世界一を目指す三条市在住のアルペンスキーレーサー須貝龍(すがいりょう)選手(24)=チームクレブ所属=が20日、三条市長を表敬訪問し、2015/2016シーズンワールドカップ(W杯)の成績やピョンチャン冬季五輪でのメダル獲得を掲げる今後の目標などを話した。
須貝龍選手は、胎内市出身、東小千谷中学校、八海高校卒業。高校3年生の夏から冬場はオーストラリアを拠点に活動している。旧中条町出身の父・澄夫さん(53)の仕事の関係で、一昨年から三条市在住。
バックカントリーなどを行っていた両親の影響で2歳からスキーを始めた。小学6年生でイタリアへ初めて海外遠征。姉と弟の3人きょうのまんなかで、3人ともスキー強豪校の八海高校を卒業したというスキー一家だが、中学まではスキーと水泳の両方に力を入れていた。
種目は、回転、大回転、スーパー大回転、滑降の順にスピードが上がり、スーパー大回転と滑降が「高速系」と呼ばる。須貝さんは高速系を得意とし、2015/2016シーズンW杯に初出場を果たした。高速系で活躍する日本人選手は珍しい。
W杯の戦績は、スイス(ウェンゲン)アルペンコンバインドで43位、オーストリア(キッツビューエル)スーパー大回転で53位、アルペンコンバインドで2本目途中棄権、韓国(チョンソン)スーパー大回転で39位、フランス(シャモニー)アルペンコンバインドで39位。
須貝選手は午前9時半にトレーナーのメディカル・フィットネス富永草野=三条市興野2=の健康運動指導士田中貴さん、父澄夫さん、三条スキークラブの太田英夫さんとともに三条市役所を訪れた。
須貝選手は、競技で使用するスキーの板やW杯で着用したワンピースなどを持参し、競技種目の説明やW杯の結果などを話した。
これまでに3度、前十字靭帯切断などの大きなけがをしたことに国定市長が「よくそのときに、あきらめなかったね」と言うと、「はい、自信があったので」と笑顔でさわやかに答えた。
今後の目標について須貝さんは、2018年に韓国・ピョンチャンで開催の冬季五輪に日本代表として5種目出場、アルペンスキー競技でのメダル獲得。滑降、スーパー大回転での高速系種目、日本人初の第一シード、W杯ランキング15位以内、2016/2017スイス・サンモリッツ世界選手権大会出場と30位以内入賞をあげた。
国定市長は、五輪メダリストを目標にする須貝選手に「可能性のある人が身近にいることは幸せ」と大いに期待した。
須貝選手は、自身の得意とする高速系種目の魅力について「最高150キロほど出る種目で、山の上から下まで4キロ以上のコースを滑り降りるが、50m、60mをジャンプするような大迫力の種目。速度と大きなジャンプが魅力」と話していた。