会派を超えて県内書道界の重鎮20人が出展する「ー弥彦で出会うー新潟現代の書展 Part III」が、21日から6月6日まで前期、6月10日から26日まで後期と2期に分けて弥彦村総合コミュニティセンターで開かれる。
弥彦村、弥彦村教育委員会、弥彦の丘美術館が主催。開幕を前に20日午後3時から開場式が行われた。出展者をはじめ関係者らが出席し、小林豊彦村長、新潟県美術家連盟の中野雅友理事長、出展者の佐藤光堂さん、伊藤省風さん、弥彦神社の永田忠興宮司の5人がテープカットを行った。
2007年、11年に続き5年ぶり3回目の書展。県内の書道界をけん引する書家に出展を依頼し、21人の作品を展示して第1回が開かれた。書道界の事情を良く分からずに書家に声をかけたのが逆に功を奏した。本来は一堂に作品を展示することが難しい会派や団体の枠を超えた書家の作品をそろえることができ、全国からも注目を集めた。
第1回は平成の大合併後の開催で、合併せずに独立路線を選択した弥彦村の姿勢に対する称賛とともに、書家が弥彦で出会ったことから表題に必ず「弥彦で出会う」を入れている。
原則として同じ書家の作品を展示する方針だが、亡くなった書家もあり、今回は第1回以降に加えた書家が3人になり、計20人が出展。これまでは前後期と分けずに一度に作品を展示したが、より多くの作品を鑑賞したいと今回は初めて2期に分けた。
前期の展示は87点。うち前期では57点になるメーン作品を前期と後期でそっくり入れ替える。前期は県内トップクラスの10人の書家、後期はそれに続くこれからの活躍が期待される10人の作品を展示する。
前期は国内どころか海外で活躍する書家もいる。新潟県書道協会理事長、新潟大学名誉教授、県展委員など。今回は1人ひとりの展示スペースを決め、それに合わせて1人5、6点を展示してもらった。1人1点ならまだしも、県内トップクラスの書家の複数の作品を一堂に集めて見られる機会は県内ではほかに例がなく、全国的にも珍しい。
木に文字を刻んだ篆刻(てんこく)や刻字の展示コーナー、軸装の展示コーナーを設けた。落款(らっかん)を紹介する作家の紹介の展示もおもしろく、県内で書道を手掛けている人には見逃せない見どころ満載の書展だ。
また場内イベントとして、前期と後期で出展者7人ずつがギャラリートークと公開制作を行い、前期と後期で2回ずつ出展者によるギャラリートークが行われる。スタートはいずれも午後1時半から。入場料は500円弥彦の丘美術館との共通券は700円、小中高校生と障害者手帳提示者は無料。出展者と場内イベントは次の通り。敬称略。
■出展者
【前期】▲相澤五峰(上越市)▲朝平霞山(新潟市西区)▲今井昭友(新潟市西区)▲薄田東仙(新潟市東区)▲丘山三槐(加茂市)▲小林畦水(新潟市中央区)▲佐藤光堂(新潟市西区)▲丹波芝水(長岡市)▲野中吟雪(新潟市西区)▲長谷川白楊(燕市)
【後期】▲伊藤省風(胎内市)▲薄田逸齋(新潟市西区)▲内山玉延(見附市)▲小黒哲也(柏崎市)▲狩野芳明(燕市)▲木原光威(三条市)▲田中藍堂(弥彦村)▲角田九闇▲柳澤魁秀(長岡市)▲若林渓行(見附市)
■ギャラリートーク・公開制作 13:30〜15:00
【前期】▲5月23日(月)丘山三魁▲5月24日(火)今井昭友▲5月25日(水)野中吟雪▲5月26日(木)朝平霞山▲5月27日(金)佐藤光堂▲6月1日(水)相澤五峰
【後期】6月10日(金)田中藍堂▲6月14日(火)木原光威▲6月15日(水)柳澤魁秀▲6月17日(金)伊藤省風▲6月22日(水)薄田逸齋▲6月23日(木)狩野芳明▲6月24日(金)角田九闇
■ギャラリートークのみ 13:30〜14:30
【前期】5月30日(月)佐藤光堂・丹波芝水▲6月2日(木)朝平霞山・丘山三槐
【後期】6月13日(月)伊藤省風・田中藍堂▲6月21日(火)角田九闇・田中藍堂