三条市桜木町、旧三条市立南小学校校舎をリノベーションして昨年4月にオープンした「三条ものづくり学校」は22日、オープン一周年記念感謝祭を開いた。B級品などを販売する「工場蚤の市(こうばのみのいち)」やワークショップで、会場は小学校だった時代にもなかったようなにぎわいを見せた。
工場蚤の市は旧体育館の多目的ホールに40ブースが開店。B級品やサンプル品などを販売した。金属加工の製造現場で出た金属の廃材を自由に持ち帰ってもらい、使い道は客にお任せ。アクセサリーのB級品は通常価格の10分の1以下で販売したり、刃物メーカーと木工メーカーが用意した刃と柄をその場で自由に選んで組み合わせたり。
懐かしい昔ながらの木のケースに入った洋食器を1本50円で販売、木っ端の詰め合わせの販売、昔の家具に使われる時代金具の量り売り、高速道路の標識を丸く切り取って作ったキーホルダーなど、ふだんは手に入らないような商品や販売方法によるディープな「蚤の市」。子ども心をくすぐるようなわくわく感がいっぱいだ。
ワークショップは23種類。多目的ホールに加えてレンタルオフィスとして使っている元教室を使って開店。コースターに自分の好きな文字を印刷できる活版印刷体験、リングノート作り、その場で自分でデザインしたTシャツのプリント、スコップの柄の先に丸い穴を開けたときに出る円形の廃材を利用したオブジェ製作など、完成を刺激するものばかりだ。
多目的ホールには全体を覆うように巨大な装飾を施し、もともとが体育館とは思えない見違える雰囲気に。午前10時開場のところそれより早く訪れる人もあり、オープンと同時に多目的ホールは通路をすれ違うのもままならないほどの大にぎわいとなった。午前で商品や材料がなくなるブースも多かった。
新潟市東区に住む40歳代の男性は、ネットで1周年記念感謝祭を知って彫金の木の葉のブックマーク作りを体験しようと夫婦で訪れた。ものづくりとは縁のない仕事で、燕三条は地域はドライブがてらに訪れるくらいだが、「金属加工はなかなかやる機会がないのでおもしろかった」と楽しんでいた。
新潟市南区に住む三条市内で働く20歳代の女性は、大学時代の後輩と訪れた。ちょっとしたDIY女子で、工具や古い金具が安く買えると知って訪れた。車で来場したが駐車場がなく、近くの勤め先に駐車して会場へ。時間があまりなくてワークショップにもあまり参加できず、「来年はもっと時間に余裕をもって来たいし、来年もやってほしい」と今から来年に期待していた。
三条ものづくり学校の斎藤広幸事務局は「予想より本当に多くの皆さんに来ていただいた」と反響の大きさに驚き、「地域の方々に支えられて運営できている施設だと思った」と三条ものづくり学校に対する地域の支援に感謝した。