市内の一部地域が東京電力柏崎刈羽原子力発電所から5kmから30km圏の避難準備区域(UPZ)に該当している燕市は24日、第1回燕市防災会議を開いて原子力災害に備えた燕市避難計画を策定した。国はUPZにかかる自治体に避難計画の策定を求めており、燕市の策定により対象の県内9市町村すべてが策定が完了した。
燕市はことしに入って燕市議会議員協議会で避難計画案を説明し、UPZに住む住民を対象に真木山と渡部の2会場で住民説明会を開催。24日、4年ぶりに開いた41人の委員からなる燕市防災会議のなかで避難計画案を承認した。
燕市のUPZは、燕市西部、長岡市に隣接した大河津分水路左岸側の地域で、渡部、真木山、幕島、大川津興野、下中条の町内。渡部に限っては地元の要望を受けて本来はUPZではない右岸側の住民もUPZと同じ対応とし、そこに住む住民は4月1日現在で合わせて120世態の387人。全面緊急事態(EAL3)となった場合、UPZの住民は大河津分水路に架かる渡部橋を渡って3キロほど離れた避難先の分水北小学校に避難する。
燕市で特徴的なのは、屋内待避所の開設。自宅など以外での屋内待避が必要な場合に備えて、放射線を遮断できるコンクリート造の建物などを指定緊急避難場所兼指定避難所を屋内待避所として開設することにした。
燕市はUPZと同時にそれ以外のほとんどの地域は避難者の受け入れという2つの立場が混在する。今回はとりあえずUPZの避難計画を先行させた「Ver.1」とし、国や県の動向を見て避難計画を見直していく。