三条署が製作した等身大の警官の人形「のんちゃん」が三条信用金庫の各店舗で順番に設置され、特殊詐欺被害防止に貢献したとして三条信用金庫は26日、「のんちゃん」に感謝状を贈った。
午前10時に三条信用金庫の小浦方文之常務理事が三条署を訪れた。「のんちゃん」とその製作者の大面駐在所勤務の野沢一昭巡査部長、三条署長を前にして西潟精一理事長名の感謝状を読み上げ、「のんちゃん」の代わりに生みの親の野沢巡査部長に感謝状を手渡した。
野沢巡査部長は、オレオレ詐欺などの被害防止に役立てようと2012年、妻しのぶさんにも協力してもらって自身の分身のように「のんちゃん」を作った。休日や勤務後を利用して4カ月余りかけて完成した。
骨格は駐在所のサクラの木の枝を使い、身長は野沢巡査部長と同じ168センチ。制服はリサイクルショップで似たような服を探して記章などの刺しゅうを加えたりしてそれっぽく見えるようにした。
その後、「幸せを呼ぶ足長おじさん」をイメージして足を10センチ足して、身長は178センチになったが、名前は野沢巡査部長のニックネーム。まるで漫画「パーマン」のコピーロボットのようだ。
最初の1年間は大面駐在所に設置していたが、当時の三条署長の目にとまり、より効果的な活用をと三条信用金庫への貸し出しすることにした。13年10月から三条信用金庫の三条市内15の本支店で順にロビーに設置。年金受給日には三条署員と三条信用金庫職員とともに来店客に特殊詐欺の被害防止を呼びかけてきた。現在「のんちゃん」は、最後の15店目となる古城町支店に6月15日まで出向中だ。
小浦方常務理事は「のんちゃん」の功績について、特殊詐欺被害防止で預金を引き出すなどの来店客に声をかけるときには業務とはいえ聞きにくいこともあるが、「のんちゃん」を見て職員が勇気づけられ、来店客への影響力もあったと話した。来店者の中には、「変な電話がきたけど、のんちゃんを思い出した」と直接、特殊詐欺被害防止に貢献した話もあったことを話し、感謝した。
感謝状を受け、「のんちゃん」の生みの親の野沢巡査部長は、「(のんちゃんが)注目を集め、(被害防止に)効果が出ることはありがたい」話していた。