東日本大震災や福島第一原子力発電所事故で三条市に避難している人の有志が30日、熊本地震で被災した人たちのために役立ててほしいと多くの避難者から寄せられた善意12万3千円を三条市に寄付した。
避難者有志を代表して福島県南相馬市小高区から避難している大和田光代さん(50)、林忠則さん(61)、佐竹紀さん(76)の3人が市役所を訪れ、和田さんから国定勇人市長に「義援金・福島県避難者有志」と書いた包みを手渡した。
熊本地震後、三条市避難者交流拠点施設「交流ルームひばり」を訪れた三条市に避難している人から「熊本のために何かできないか」との声があり、義援金を募ることにした。三条市に避難している人たちに募金を呼びかけたところ、避難者応援情報紙「浜通り×さんじょうライフ」の配布時に手渡したり、「交流ルームひばり」へ持参したりと、多くの人たちが協力してくれた。
国定市長は、「特別な思いを感じます。すごいですね」、「皆さんが被災されている現在進行形なのに」と言い、市長自身が同じ立場ならそういうことは考えつかないと驚いた。
今も毎日のように揺れが続く熊本の地震について林さんは「われわれよりひどいのではないですか」と気遣った。国定市長が、熊本地震から2カ月たつが、三条市に避難していたころを振り返り、この2カ月という時期に何か必要なものはなかったですかと尋ねると、「そういうのはなかったです。最初にマットレスと布団があったのが感動でした」と、5年余りが過ぎた三条市の避難所に避難したその夜のことを話した。
三条市では、今回の寄付は日本赤十字社の義援金受付とは別に、三条市が熊本地震の被災者のために実施することで役立ててほしいという趣旨に沿うものにするとしている。