民進党の鷲尾英一郎衆院議員の燕市を中心とした若手の後援会、イーグル会政治経済研究会(青柳修次会長)は13日、燕三条ワシントンホテルで民進党政策調査会長の細野豪志元環境相を迎えて報告会と徹底討論会を開き、100人余りの会員が出席して会員が質問や疑問に思っていることについて2人の話を聞いた。
冒頭のあいさつで青柳会長は、前回衆院選で鷲尾氏は比例復活したものの小選挙区では自民・細田健一氏に102票差で敗れたことについて、「悔しくて万歳どころではなくガンバローコールをしたかった」。
昨年1月民主党代表選挙では、鷲尾氏が推薦した細野氏が1回目の投票で1位になったが過半数を得られず、決戦投票で岡田克也氏に小差で敗れたことにもふれ、7月の参院選はダブル選挙にならなかったが、鷲尾氏はいつ選挙があっても「勝ち抜くんだという思い出でやっている」とし、この日は民主党が民進党に変わったことや背景を話してほしいと述べた。
鷲尾氏は、政党名が変わり、ダブル選挙も取りざたされるなか、何とかして支持者に思いを伝えたい、現状でどういうことを考え、やっているのか、この先どういう方向性をもっているのかという話をぜひさせていただきたい」と「なかなか突っ込んだ話ができない」ため、事前に質問を受け、それについて細野氏と討論する形にしたと説明。「日本の政治はまだまだ捨てたもんじゃないと思っていただける機会になればと思う」と述べた。
細野氏はあいさつで、鷲尾氏の活躍が光っているのは、国を愛し、郷土を愛する意識が非常に強く、安全保障の問題、経済の問題、いわゆる骨太な政治家としてやらなければならないことにしっかり取り組んでいることとした。国境離島の特別措置法が成立したが、鷲尾氏がずっと努力してきており、「外国人が土地を買うと国境自体が危うくなる。そこにしっかり光を当ててわれわれが整備をしてくという法律が成立した」と法案の意義の大きさを強調した。
鷲尾氏にはスケールの大きさもあり、仲間として尊敬している。「彼の言葉には力がある。自分の言葉で全力で語る。わたしを含めて今の政治家に足りない」とし、「彼は借り物の言葉では語らない。自分の言葉で語る。そして皆さんにその思いを伝えようという情熱をもっている男」と評価した。
事前に参加者から受けた質問をまとめたテーマは大別して、日本の政党の在り方、政治の果たすべき役割と日本の針路、政権交代経験世代として果たすべき役割。
まず細野氏は、民主党政権は経済運営、そして普天間移設問題や尖閣問題の安全保障の対応に失敗したことが大きく、「そこを克服して民進党に任せて安全保障、外交は大丈夫だと思っていただけない限り政権にたどり着けない」、「経済と安全保障において今の民進党が万全かといえば残念だがそうはなっていない」と自戒した。
さらに細野氏は、野党は反対ばかりしているイメージだが、実際は与党が出す法案のうち8割から9割に賛成しており、49本の議員立法を提出して10数本を成立させているとも。鷲尾氏は民進党の政策決定のプロセスが見えないことを指摘し、「若者の民進党支持率は0%」と危機感をあらわした。
鷲尾氏が国会がスキャンダル追求の場になっていることを憂えると細野氏も「とっちめるのはあんまり気持ちがいいものではない」と同調。「若手のスキャンダル追求は深刻」、「喜んでやっているというイメージになっては」と憂えた。
このほか、株価が上がったのは円安が原因であること、景気対策で法人税減税は効果がないこと、民進党は財源の問題から逃げてはいけないことなどを話した。ねらい通り与党批判は少なく、ふたりの政治に対する姿勢、考え方を伝える勉強会のような色合いの濃い討論だった。