22日公示される参院選新潟選挙区(改選数1)に野党統一候補として無所属で出馬する森裕子氏(60)の燕、西蒲、弥彦地区の支援者の総決起集会が15日、燕市吉田産業会館で開かれ、250人が近くが参加して森氏の国政復帰を願って気勢を上げた。
燕・弥彦地区の「『森ゆうこ』を国政に復帰させる会(赤塚寛代表)が主催。赤塚代表が「燕、西蒲、弥彦のためにも森さんから国政に復帰していただきたい」とあいさつして開会した。
来賓あいさつで新潟4区選出の民主党・菊田真紀子衆院議員は、衆院に続いて参院でも与党に議席の3分の2を取られたら「安倍政権の暴走を止めることはできない」と今回の参院選の意味を話した。
一度は参院へのくら替え出馬を表明しながら、先に出馬を表明していた森氏での一本化でまとまったことにふれた。菊田氏は」野党第一党の責任で、自分が捨て石になっても参院選を頑張らねばと、衆院の5期13年の重い議席を投げ打っても自らが先頭に立たなければならないと思った」。
ただ「わたしが参院選に出ると決めたときに森さんはものすごく厳しくわたしを批判した。異常だと。わたしも正直、カッカ、カッカきましたよ」とあつれきが生じたことを明かしながらも「この威勢の良さ、突破力。わたしはいろんな思いもあるが、政治は好きか嫌いじゃない。いろんなことを飲み込んで前に進んで行かなければならない。わたしたちが戦うべき相手は安倍政権」と頭を切り替えた。
安倍政権は「多数をもってるから何でもやれると勘違いしてる」、「そういう安倍政権の暴走を止めるために、森さんにぜひ国会に行ってもらって、暴れてもらおうじゃありませんか」。自民党は、社会党を担いで村山政権をつくってまで政治権力を維持しようとした、政教分離を唱えて激しく対立、攻撃していた公明党がいつの間にか選挙協力、連立政権をやっていてどっちが野合なのかと、自民党のしたたかさを指摘し、その自民党と対峙するには「あらゆることを飲み込んでやっていかなければならない」。
1年半前の衆院選で自民党は安保法制のことは何も言ってないのに、大勝したら国民の声を無視して強行採決し、国民にいっさい説明もせず、「今回も2匹目のドジョウをねらっている」、そして「選挙が終わって3分の2を取ればいよいよ憲法改正に手をかける」とし、「絶対にこのような不誠実な政権にだまされてはならない」。
今回の参院選で新潟は全国でも注目の選挙区とされ、18日に安倍首相が新潟入りすることに「こんたっていいのにね。どうせ中身のないアベノミクスはこんなにすばらしいということを言って帰るだけでしょ。それだけ大変、危機感をもって来られるのだと思う」とし、「わたしもいろんなことがあったが、すべて飲み込んでこの国の平和のために皆さんと心をひとつに合わせて森裕子さんと同じ気持ちで最後まで頑張っていきたい」と支援を求めた。
さらに来賓あいさつで、社会民主県民連合代表の小山芳元県議、民進党の高倉栄県議、社民党の竹内功新潟市議、共産党の長井由喜雄燕市議、新社会党の鶴巻俊樹元三条市議、連合新潟の牧野茂夫事務局長、オールにいがた平和と共生の磯貝潤子共同代表が次々と演壇に立った。
森氏は決意と抱負を述べた。母が燕市分水地区の地蔵堂出身であることから話した。2日前に久しぶりに菊田氏、民進党の西村智奈美衆院議員と3人で新潟駅前で街頭演説を行い、マイクを握って「“当時は民主党3人娘で売り出していました。久しぶりにそろいました”と言ったら隣りにいた菊田さんからすかさず“売れてねーし”って言われた」と笑わせながらも、2人の応援に「本当に心強いと思った」。
「今回の選挙はもちろん、安倍政権の暴走を絶対に食い止める。そしてまかり間違っても参議院で3分の2を取らせない」、「(自民党は)今は黙っている。急に静かになって憲法改正の話をしなくなった。必ずやる。勝てば間違いなく憲法を変える。どんどん危ない方へ。それを止めるっていう戦い」とした。
今回のキーワードは「みんながひとつになる。市民とオール野党はひとつ」で、「これが本当にできたときにわたしたちは、わたしたちの歴史的な使命を果たすことができる」。
しかし、「それにいちばん向かない野党統一候補ができてしまったことをまず皆さんにおわびを申し上げたい。本当にすみません」、「力が余ってではないが、思いが勝って融和を図ることがあまり得意ではなかったのかもしれない。しかし還暦を迎え、暦をひとめぐりして生まれ変わった。ニュー森裕子で皆さんと一緒に力を合わせて頑張ってまいる」と自戒を込めつつ決意を示した。
安倍内閣の支持率が少し上がったのは「ショックだが、良く考えるとあの3万円(臨時福祉給付金)を受け取ったばかり。たった一回こっきりの。これはみんなが言っているように合法的な買収じゃないのか。税金を使った」とし、一方で、「年金の積立金を勝手に使って株に注ぎ込んで大損している。それを責任をとらないで皆さんの年金を下げるって言ってる」と指摘した。
自民党が勝つと、残業代がゼロになる、平和や命が守られなくなる、暮らしそのものが大変なことになると言い、民主党時代にできた所得報奨制度について、「いくら民主党の政策だったから気に入らないから変える。そんなことする必要はない」と憤った。
日本のGDPの6割が個人消費で、昔から農家の人が使えるお金が増えないと、この地域の経済は良く分からない。アベノミクスは1%に満たない人だけが得をし、アベノミクスの3年間で日本のたった40人の人の資産が2.2倍に増え、16兆円になったと説明。子育て支援が不足し、安保法制絶対反対に耳を傾けなかった、正社員になりたくても非正規労働しかない、介護報酬はますます減り、「不条理を解決しなければならない政治そのものが不条理をつくりだしている」と批判。「最大の不条理、人権蹂躙は戦争。戦争で国民に塗炭の苦しみを味わわせる」と憂えた。
翌週から本格的な選挙戦がスタートするが、野党統一候補になって「今、その責任の重さに胸が締め付けられるよう。どうしても勝たなければいけないんだ。この歴史的な戦い。自由と民主主義と平和を守るために子どもたちの命と未来と、そして皆さんの生活を守るためにどうしても勝たなければならない。どうぞ皆さんお力をお貸しください」と支援を求めた。
最後にはタナカ・キン燕市議が森氏に託すことばを話し、来賓が登壇して激励コールを行って必勝を誓った。