建築士でまち歩きスケッチ作家の野田英世さん(45)=長岡市中沢=は、14日から19日まで見附市・ギャラリーみつけで見附市内でスケッチした作品展「まちかど みつけ」を開いた。
ことし3月の「ギャラリーみつけ」のオープンに向けて昨年10月に見附市を描いた作品の展覧会の依頼を受けた。主に見附地区の本町商店街と今町地区に分け、ことし3月から取材したポストカードサイズからF2までの作品21点を展示した。
それまでのフリーランスの建築士から、ことし2月に建設会社に入社し、建築設計を手掛ける。仕事柄、生活空間を探求しようと町歩きスケッチを始め、2013年から展覧会活動を始め、長岡市、三条市、上越市、長野県松本市などで展覧会を開いている。
自分のために描き始めただけに、作品に自意識は感じられない。建物を主役に町並みをありのままに描き止める。そんななかでも少しずつ変化はある。
紙はより繊細な線を描けるものに変えた。建物の構造などがよくわかるように影が弱い曇天の風景の印象だったが、強い光を感じさせる作品が増え、夜の街灯のやちょうちんのあかりを効果的に生かした作品もあった。
また、野田さんの作品に描かれる人は風景の一部、人影として描かれるものがほとんどだが、名産の今町べと人形を作る人を主役として大きく描いた作品も。透明水彩による彩色もこれまでより色鮮やかになった印象があり、全体として絵画表現としての側面が高まっていた。
「見附のまち自体が不思議で、アップデートばかり目指していない。道を1歩、奥へ入ると古いものがそのままに残っている」と野田さん。「古い町並みは真っすぐな道が少なく、道の感じも独特」。一方で元法務局出張所の建物をリノベーションした会場のギャラリーみつけもそうだが、ユニークなイングリッシュガーデンもあり、見附は「行政ぐるみでおもしろい」と話した。