三条市のまちなか交流広場「ステージえんがわ」で26日、八幡宮の藤崎重康宮司(66)による笛のコンサート「笛のしらべ 和の響き」が開かれ、約70人が来場してバリエーションの広さを含めて日本の笛の音を満喫した。
藤崎宮司は東京に本部を置いて世界でも活躍する邦楽器演奏グループ「日本音楽集団」の現役会員で笛の奏者。日本音楽集団を離れて地元で演奏を行うこともあり、今回は初夏の夕暮れに外でゆったり夕涼みしながら笛を聴いてもらおうと開かれた。
夕涼みということで藤崎さんのステージ衣装は、白地に紺の柄の見るからに涼しげな浴衣。尺八、篠笛、竜笛など10本近く笛を持ち込み、結婚式で演奏される雅楽、能楽の笛、民謡、童謡、さらにジャズ、歌舞伎で幽霊が出るときに吹かれる寝鳥、救急車のサイレンや蒸気機関車の走行音の笛による再現など、笛の多彩な表現力を披露。尺八のムラ息、玉音、首振りといった奏法も実演して見せた。
この日の三条は朝方に強い雨が降って最高気温22.9度と涼しく、さわやかな陽気。来場者は演奏に目を閉じて聴き入るだけでなく、日本の笛のバリエーションや奥深さに関心したり、ユニークな奏法に笑ったりし、約1時間の演奏はあっと言う間。「ただで聴かせてもらっていいのかしら」と恐縮する人もいた。