燕市吉田中学校のカラーガード部は12日に神奈川県・横須賀アリーナで開かれた2016関東カラーガードコンテストのジュニアの部で、3年目の出場で初めて金賞を受賞した。
ジュニアの部は中学生以下が対象で7団体が参加。審査は相対評価ではなく、得点によって金、銀、銅賞が決まり、4団体が金賞、3団体が銀賞を受けた。吉田中は『カルメン』の曲に乗ってフラッグのほかに扇子も使った約3分半の演技を披露。得点では3位となり、過去2回は銀賞だったが、3度目の正直で初めて念願の金賞に輝いた。
県内中学校でカラーガード部があるのは吉田中の1校だけ。裕に20年を超す歴史があるが、創部がいつかははっきりしない。姉に続いて妹が入部したり、部活動紹介を見て入部する1年生もあり、このところ部員は順調に増えている。今は1年生8人、2年生6人、3年生11人の25人で、コンテストには2、3年生17人が出演した。
顧問は6年目の大矢有紀子教諭。「演技の内容はばっちりだった。全部、出し切ったが、結果がくるまでは金賞の確信はなかった。みんなバレエやダンスの経験もないのに、よく頑張った」とコンテストを振り返る。
ことしの部員に代替わりするとき、大矢教諭は技術面で力量不足を心配した。「みんな素直なのが良かった。演技の要望をちゃんと受け止め、技術の足りないところを埋めてくれた。いい表情で曲に乗ってやってくれた」と精神面を評価した。
部長の3年笠原未玖さんは「みんなの動きがすごくきれいでうれしかった。練習で合わないところも本番では合って、泣きそうだった」と大満足のできだったと話す。しかし直前まで不安でいっぱいだった。「先輩が銀賞を取ってきたのに、1週間前までは銀賞も取れないのではと思って悲しくなった」。
あまりのふがいなさに部長と2人の副部長で自分の心の中に閉じ込めていたことを包み隠さず話し合った。大矢教諭にも相談して3年生全員でミーティングを行った。本番のわずか3日前だった。
「悪口を言ってもいいから全部、何もかも言い合おうと。みんなでそうしようとなった」と笠原さん。その結果「ほとんどの人が泣いていた。おかげで3年生の思いがまとまった」。
コンテストでは審査結果の発表まで会場にいられず、帰りのバスの車中で保護者からのメールで金賞を知った。「金賞と言われた瞬間からみんなずっと泣いていた。夢なのかと思うほどだった」と話す笠原さんは当時の感動が込み上げた。
関東カラーガードコンテストに参加したことで全国大会参加資格を得るが、全国大会は来年2月。参加するなら3年生は引退しているので1、2年生での編成になるが、大矢教諭は10月から2月は1、2年生の基礎固めに充てたいので、参加しない考えだ。
吹奏楽部と合同で新潟県マーチングコンテストにも毎年、参加している。上部大会に10月の西関東大会があるが、以前は銀賞だったのに一昨年、昨年と銅賞止まり。ことしは金賞を目指す。
カラーガード部は長い伝統がありながら、学校以外での発表がなかったため、地元でもその存在はあまり知られていなかったが、昨年、初めて吉田まつりに出演し、見事な演技で市民を驚かせた。
同時に燕市吉田北地区の夏まつり「北地区ふるさとまつり」にも出演し、ことしはさらに燕市粟生津地区の夏まつり「粟生津まつり」にも出演。直近では7月10日午後、燕市吉田産業会館で開かれる吹奏楽部の定期演奏会に出演する。急に露出が増えており、機会があれば積極的に校外でもカラーガードの魅力をアピールしていく。