三条信用金庫は23、24日の2日間、東日本大震災で被災した宮城県内で8回目のボランティアを行い、町の雇用促進や南三陸ネギのブランド化を目指すグリーンファーマーズ・宮城での農作業を行った。
被災地の1日も早い復興をと、震災発生から9カ月後の2011年12月に宮城県石巻市で初めてボランティア活動に取り組んで以来、今回で計8回になり、延べ116人の職員が参加した。3年前からは、新入職員の新人研修も兼ねて実施し、活動を通じて信用金庫の理念の相互扶助の精神を学ぶ機会ととらえている。
今回は4月採用の新入職員11人と同金庫人事教育部2人の13人が参加。ボランティア活動は、新しい交流プロジェクト「南三陸応縁団」を通じて、グリーンファーマーズ・宮城の長ネギを栽培する畑で、草取りの作業を行った。
南三陸町のボランティアの受け皿は当初、「災害ボランティアセンター」だったが、2015年4月から名称から“災害”がとれて「ボランティアセンター」になり、さらにことし4月からは観光協会の中に新たな交流プロジェクトとして設立された「南三陸応援団」に移管された。
一行は23日朝、三条市からバスで出発し、南三陸町に到着すると町内を視察。津波で破壊された南三陸町防災対策庁舎跡や、新しい市街地を建設するための高さ10メートルもの盛り土を行っている現状などを見た。
翌24日は午前10時から午後4時ころまでボランティア活動を行い、午後5時に南三陸町を出発、午後10時半に三条に戻った。
3年連続で活動に参加している人事教育部の白倉次長は、一昨年は畑の石を拾って耕作地をつくる作業、昨年は養殖カキの洗浄と選別作業、今回はネギを生産している畑での作業、作業内容を通して、「前までの後片付けから、日々、復興している。町を元通りにしようという動きを肌で感じた」。
それでも、まだまだ高台整備は続いており、盛り土に囲まれた工事現場の中という景色も。現地の人たちは、全国各地で次々と起こる災害に、「東北が忘れられてもやむを得ない。しかし、われわれも道半ば」の声もあったと話していた。