参院選新潟選挙区(改選数1)に野党統一候補として無所属で出馬した森裕子氏(60)の個人演説会が6月30日、三条市嵐南公民館で開かれ、200人近くが参加して当選に向けて気勢を上げた。
統一候補擁立で連携した団体や各党の市議らも出席してあいさつ、新潟四区選出の民主党・菊田真紀子衆院議員も出席した。
菊田氏は安倍首相をはじめ自民党の大物が自民候補の応援で本県入りしていることにふれ、「これだけ来るってことは、みんないやなんですね。森さんが国政に帰って来てもらうのが」。
6月28日に自民党総務会長の二階俊博氏が三条市を訪れて土地改良区や農協、観光の関係者と懇談したことについて「要は自民党を応援しろと。しないとお前たちわかってるな。もらえるべきものがもらえなくなるとこういう話。わたしはそういう政治を変えたいと思ってこの十数年間、頑張ってきた」と自民党の体質を批判した。
秋の補正予算について自民党の候補者や応援団が言っているのは「指をくわえてみてていいんですか。野党の候補者が当選してももらえるものがもらえませんよという話。冗談じゃない」と憤り、自身は2004年の7.13水害でも「野党の新人議員だったが、きちんと予算をもってきた。仕事をした」とし、自民党は「いまだに業界団体の締め付けをやっている」とした。
現金授受問題を問われている甘利明前経済再生担当相は、6月までずっと睡眠障害で休んでいて説明責任を何も果たしておらず、今度は森山裕農水相がTPPの関係で寄付金疑惑が報道され、「政治と金の問題。全部うやむやにしている。これも古い自民党、何も変わっていない」。
自民党は、民進党と共産党が野合と批判しているが、それは「一歩、自民党に近づいただけ」。自民党は村山政権を誕生させ、憲法に対する根本的な考え方が違う公明党と連立政権をつくっているとし、「中身も決め方もでたらめ」な安保法案は廃止、平和憲法、立憲主義でみんなで力をあわせていくとした。
「投票率を上げて、若い人から選挙に行ってもらって、この選挙で日本の政治が変わった、新潟から変わった、森裕子で変わったという結果が出るようにぜひ力を合わせて最後まで頑張りましょう」と支持者を鼓舞した。
続いて演壇に立った森氏は、自民党から安倍首相は森氏だけは絶対に復活させるなと言っていると聞いたとし、「よっぽど国会でわたしから質問されるのがいやなんだそう」。
安倍首相は2回も新潟入りしている場合ではない、イギリスのEU離脱ショックで株が下がり、「皆さんの年金が大変」。2年前に積み立て金の半分、70兆円以上を株に投資することにし、「簡単に言うとギャンブルすることにした」。
2015年度の運用成績は、損失が5兆円、30兆円にものぼると試算する専門家がいて、毎年7月10日に年金積立金の運用成績を公表している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、ことしは公表を延期し、「本当の数字がわかったら多分、選挙に負けると思ったのでは」、「圧力をかけて7月29日に発表を延ばした」、「皆さんの年金が溶けてなくなった」と指摘した。
民主党政権は元本割れを起こさない安全な運用をしていたとし、「そもそも年金でもうけようって発想が違う」。安倍首相が2年前の暮れに始めたのはギャンブル、マネーゲームで、「少なくとももうやめさせなければいけない」。米国も元本割れしない安全な運用が義務づけられており、こうしたリスクの高い運用をしているのは世界でも日本だけと憂えた。
森氏は被災者生活再建支援法の改正で、財務省を説き伏せて絶対に無理と言われたさかのぼっての適用を実現させたとしたが、「自民党の新潟県選出国会議員は何も協力せず、邪魔しようとした」。
菊田氏は、民主党政権時代に事業仕分けをしたが、本当に必要なものは予算を手当てして逆に感謝された。農業者戸別所得補償制度は「民主党がやったから気に入らないと言って半分にして、再来年にはゼロになるでしょ。これが自民党」と批判。「こんな自民党に絶対に負けたくない」、「憲法を守る、子どもたちの命と未来を守る、皆さんの生活を守る。全力で頑張る」と決意を示し、支援を求めた。