昨年に続いて加茂市に住む6人の若手作家によるグループ展「ここ あつまる展」が8日から12日までの5日間、地元のギャラリー「山内堂」=加茂市仲町=で開かれ、絵画と書、写真の合わせて58点が展示される。
6人は写真の川田淳さんと日本画の森島明子さん夫婦、書の下田逅絆さんと下田彩水さん兄妹、洋画の渡辺丈夫さん、写真の高橋一行さん。
川田さんは物を収集するように写真で自分の気持ちをコレクションしていると言い、今回が第2回ということで「2」にちなんだ作品を展示。京都市出身の森島さんは日本画でポエジーでソフトな表現を見せ、作品のどこかに加茂市のイメージを入れ込む。
下田逅絆さんは着色した板に歌や漢詩を書き、古さを表現できると想像していたら意外と新しい感じの作品になったと言う。下田彩水さんは天の川を描いたような横長の大作を展示し、作品の裏にともしたLEDの青い光の点がまさに星のように見える挑戦的な作品だ。
渡辺さんは黒い背景の中に飛び散ったりたたきつけられたりしたような絵の具の中から顔などが浮き上がるダイナミック作品。写真店の高橋さんは「手が届くところ」をテーマに加茂の風景や家族など身近なものにレンズを向けている。
ことしは新たに決めたテーマで1人1点ずつ、作品を制作して展示した。テーマは会場の山内堂がある菓子店「うのもりや」で定番のブッセ「雪とけ」で、「雪とけ」を食べた写真を撮ったり、「雪とけ」を前にした少女を描いたり、そのものずばりを筆で書いたりと思い思いに作品にしている。
この展覧会は、地元の加茂市に住む若手、加茂の会場にこだわろうと昨年初めて開かれた。その反省会で来年もとすぐにことしの開催が決まった。6人の顔ぶれは昨年と変わっていないが、新たな作家の参加にも期待している。
個展となる開催は難しいが、グループ展なら参加しやすい。個展と違って複数のジャンルの作品が見られると、来場者からも好評だった。「加茂で作品を発表したと思う加茂の人が集まる場所になれば」とメンバーは願っている。
午前10時から午後6時まで、最終日12日は午後4時まで開場。入場無料。会場の「山内堂」への問い合わせは電話「0256-52-9258」へ。