県のキャリア教育推進を受けて燕市教育委員会は、5月16日に地元の業界や関連団体をあげて市内中学生の職業体験チャレンジを推進する「Good Job(グッドジョブ)つばめ推進事業実行委員会」を設立。その一環の前期職場体験が12日、吉田中学校の職場体験活動から始まった。
吉田中では2年生206人が市内75事業所に分かれて12、13の2日間の職業体験を行っている。家電製品などを製造するツインバード工業株式会社では、男子生徒2人が職場体験に訪れており、初日は同社のホームベーカリーでパンの調理と試食を中心に行った。
同社は10年以上前から年に1機種ほどのペースでホームベーカリーを発売している。その新製品開発のために動作試験やレシピの実験を行っている調理試験室で職場体験した。
実際の仕事では、機種にあった適正な材料の量をテストして見極めている。職場体験でもそれと同様に0.1グラム単位で正確な分量の材料を取り分ける必要があり、生徒は「分量を図るのが超難しかった」と言いながらも、包丁で切ると湯気が上がるできたてのパンを試食し、おいしさに大満足だった。
職業体験のようすを見学に訪れた仲野孝教育長は「職場、職業を知るには一定の効果があり、ミスマッチが減り、地場産業を知るきっかけにもなる」と職場体験の意義を話した。
直接、生徒を指導した開発生産本部商品企画部リーダーの村上樹さんは「ふだんの生活から物の裏側を知ることが大切。ホームベーカリーなら外側の温度や扉の開閉などもたくさんの試験や実験を繰り返して製品化されている。それを知ることで物の見え方が変わってくる」と、生徒の想像力の広がりにも期待していた。
県は中学生に対して5日間の職場体験の実施を求めている。燕市教委は、そのためには受け入れ事業所の協力が欠かせないことから、実行委員会を設置。これまで市内中学校は2日間か3日間の職業体験を行ってきたが、来年度から5日間で実施したい考えだ。
今年度の前期職場体験では、このあと小池中学校が13日から15日までの3日間、分水中学校が8月1日から3日までの3日間、燕中学校が10月3日から5日までの3日間、いずれも2年生を対象に職場体験を計画している。