全国初のレストランバスを活用して新潟市、三条市、燕市が連携した広域観光周遊ルートを提案しようと12日、3市の市長をはじめ担当者が参加して3市をコースにしたレストランバスを運行した。
正午に燕三条駅を出発し、三条市で高品質なはしを製造するマルナオ株式会社、燕三条イタリア野菜研究会会員の畑、燕市で鎚起銅器の玉川堂、新潟市の太田農園で旬のメロン紹介の順に回った。
同時に「燕三条の魅力で新潟を熱狂させ、皆を幸せに」がコンセプトのイタリアンレストラン「燕三条イタリアン Bit」=新潟市中央区=が車内で昼食を提供。食器にも玉川堂の鎚起銅器のグラスを使うなどした。
マルナオではオープンファクトリーで工場見学も行った。篠田昭新潟市長は「地方の魅力は点在している場合が多く、二次交通が弱い。移動している間も楽しいのはいい着想」とし、レストランバスを企画、運営するウィラー・コーポレーションには「より使い勝手のいい2台目、3台目をつくってもらって」、「とくに新潟は“酒バス”をとお願いしている」と話した。
国定勇人三条市長は2階建バスから見る景色に「まったく違った光景に見えた」と言い、「『燕三条 工場の祭典』にあわせて運行すると、外国の方が喜ぶのでは」。鈴木力燕市長は「点と点を結ぶ線をつくっていくすばらしい手段」で「燕三条の製品を使う場所にもなり、この地域向けのバスと感じた」と期待した。
レストランバスは、天井が開閉する2階建てバスで1階に厨房を備え、車内で食事を楽しみながら移動できる。4月から7月まで新潟県内で運行されており、主に土曜にランチとディナー、水曜にナイトクルーズ、日曜は団体利用といったプランを用意している。
今回は新潟、三条、燕の3市の魅力をつなぐ観光ルートの形成に向けて3市で取り組もうと行われたもので、9月上にはシンガポールからメディアやブロガーの招待を計画。来年4月から6月まで再び新潟でレストランバスを運行できるように調整中で、早ければそこで3市をつなぐコースの運行が期待される。