16、17の2日間、燕市分水地区の夏まつり「第45回分水まつり」が分水地区の大通りをメーン会場に開かれる。毎年、分水まつりの会場に燕市指定文化財の歌舞伎屋台「地蔵堂本町屋台」を展示しているが、昨年の分水まつりで車がぶつかって壊れ、修復が終わったばかりのこともあって、ことしは展示を見合わせる。
分水まつりは、16日午後0時半からのたるみこしオープニングセレモニーで始まる。午後2時に交通安全パレードが分水福祉会館を出発し、願王閣まで進む。2時半から分水公民館で停止演奏を行い、島上小、分水小、分水北小、分水中、県警音楽隊の順に演奏する。
6時から分水みこしと子ども分水みこしが行われ、諏訪神社から下孝酒店、第四銀行、惣六、第四銀行と進んで子どもみこしはここで終わり、分水みこしはさらに地蔵堂会館、本町十字路と進む。
一方で5時半から、うたと踊り市民芸能ステージ、8時から民謡流しと仮装盆踊り大会を行う。
17日は午前10時から諏訪神社で例大祭が行われ、稚児舞を披露。午後1時にみこし渡御が出発し、行列を組んで町内を回る。4時15分からヲミワケ太鼓、5時半から園児よさこいと分水児童館ダンス、よさこいソーラン、7時半から太鼓の響演で締めくくる。
願王閣では分水まつりにあわせて祭りが行われ、室町時代の作の延命地蔵菩薩坐像が公開される。それに伴って大通りに露店が並ぶのも分水まつりの特徴で、15日はすでに境内に露店が設置された。
寺や神社と関係ない夏の市民祭は露店が出ないのがふつうだが、分水まつりは露店のおかげもあって浴衣で訪れる子どもが多く、雰囲気のある夏まつりになっている。
分水まつりでは毎年、地蔵堂本町屋台を展示している。地蔵堂本町屋台は、歌舞伎を演じる三階造りで、釘を使わない組み立て式の山車(だし)。高さ4.6メートル、長さ5.1メートル、幅3.5メートルで、幅0.9メートル、長さ4.1メートルの花道も付く。
1828年(文政11)以上も前に製造されたという記録があり、1970年ころに伝統が絶えた。78年に旧分水町の指定文化財となり、老朽化が激しかったが、05年に復元。あわせて良寛史料館前に展示館を建設して格納しているが年に一度、分水まつりのときだけ外へ出して公開している。
ところが、昨年の分水まつりで軽自動車が屋台に突っ込み、軽自動車は大破。屋台は一見、大したことはなさそうだったが、あちこちがゆがみ、大規模な修復が必要になった。
車の保険で修理したので経費はかからなかったが、この春、せっかく修理が終わったばかりのこともあり、また何かあってはと、ことしの分水まつりでの展示を見合わせた。この判断はあくまでもことしの分水まつりに限ってのこと。来年はあらためて展示するかどうか検討する。
分水まつり以外に屋台が活躍する場所はない。展示館ではいつでも見ることができるが、分水まつりで展示しなくなれば地元からも屋台の存在が忘れ去られた存在になってしまうおそれもあり、今後もずっと公開しないということはなさそうだ。