村長同士の親交が縁で弥彦村と長野県の青木村は19日、災害時相互援助等に関する協定を結んだ。弥彦村が災害に備えてほかの自治体と協定を結んだのはこれが初めて。
協定は両村が被災した時に応急対策や復旧対策に必要な物資、資材、人員などを互いに要請、援助するもの。午前11時から弥彦村役場で調印式を行い、弥彦村の14人と青木村の9人が出席し、弥彦村の小林豊彦村長と青木村の北村政夫村長が協定書に署名、調印し、がっちりと握手した。
あいさつで小林村長は、熊本地震から約1週間後に青木村長から相互応援協定を締結したいと連絡があり、ふたつ返事で快諾、さっそく実現したことに感謝した。
両村ともこれまでそれほど大きな自然災害に遭遇していないが、弥彦村は原子力発電所から30km余りに位置し、東日本大震災での原発事故のような事態が「ゼロではない。そういうときにどうするかが村長になって最大の悩みであり、課題」で、「相互援助は「本当に必要なこと」で「災害時だけでなく、いろんな面で青木村と一緒に広域連携等を進めさせていただければ」と願った。
北村村長は「本日の災害協定はゴールではなく、スタートだと思っている」、「いろいろな面で各種団体がさまざまな面でぜひ広いご厚誼(こうぎ)をたまわりますように」と話した。
弥彦村が自治体と災害に関する相互応援協定を結ぶのはこれが初めてだったが、青木村は弥彦村が2件目。青木村は4方向の100キロから200キロの間の市町村と同様の協定を結びたいと考えていて、2007年に姉妹都市となった静岡県の長泉町と交流を含め協定を結んでいる。
北村村長は元埼玉県職員で都市計画課長だったころ、埼玉で日本経済新聞の支局長だった小林村長と親しくなり、昨年1月の弥彦村長選では小林村長の応援に駆けつけている。小林村長は災害時以外では村民など人的交流から進めたいと話している。
青木村は上田市の西隣に位置し、信州の東「東信地区」にある。先の国勢調査で人口は弥彦村の半分ほどの4.345人。コメ、キノコ、マツタケ、ブドウなど農業が基幹産業。「田舎暮らしの本」(宝島舎)のことし2月号で発表された日本一住みたい村ランキングで1位となっており、1,750戸のうちIターンが150戸にのぼっている。