三条市の地域おこし協力隊の誘致で16日から18日までの3日間、初めて三条市下田地区を拠点に合宿した神奈川県横浜市の少年サッカークラブチーム「JFC FUTURO(ジェイエフシー フトゥーロ)」は2日目の17日、三条市下田体育館で相撲のけいこを行った。
合宿に参加したのはクラブの中学校1、2年生49人。下田相撲連盟会長の長谷川三男志さん(76)や元玉ノ井部屋力士の佐藤聖幸さん(27)が講師となり、土俵のある相撲場と武道場を使ってけいこした。
相撲場ではぶつかりげいこのあと、さっそく2チームに分かれて対戦し、けいこの成果を実践で試した。相撲なので上半身はだかで素足で土俵に上がり、「はっけよい、残った!」を合図に取り組んだ。
土俵での本格的な相撲はめったに経験できない。がっぷりと組んで互いに力を込めると闘争本能に火が着き、必死だ。見守る側も自然と声が上がり、声を合わせて応援する場面もあり、サッカー少年にはまったく畑違いのスポーツだが、夢中になって対戦した。
取り組みのようすに長谷川さんは「力がある。サッカーしてるから。ウチの子はこんなわけにはいかない。中学生でここまでくるにはふつう2、3年かかる」とその身体能力や運動神経の高さに驚いた。
佐藤さんはフィジカルトレーニングを中心に行った。サッカーでも1対1の局面ではボディーコンタクトがものを言う。当たりは姿勢が低い方が有利なことや転んだときの受け身のとり方を指導。けいこのあとの昼食は、佐藤さんが調理した玉ノ井部屋仕込みの塩ちゃんこ鍋を下田産のコメで作ったおにぎりと一緒に味わった。
合宿の誘致を働きかけた地域おこし協力隊の会津泰成さん(45)の長男、中学校1年泰一さん(13)は下田を訪れたのは2回目で、下田について「虫以外は好き」。「(前夜は)あんまり眠れなくて疲れた」と言い、「きのうのカヌー体験が楽しかった」と下田ならではの体験を満喫していた。
コーチの鈴木友さんは、春休みにもクラブから近いところで1泊2日の合宿を行っているが、「イメージした以上にみんな楽しんでいる」と喜んだ。「自然が多く、ケータイもテレビもない環境で人とかかわらざるを得ない環境。社会でもサッカーでも求められるコミュニケーション能力を養うことができる」。
地域の人たちとのかかわりもあった。「いつも感謝の気持ちでと言っているが、地域の人たちが無償で手伝いに来てくれたりして、感謝の気持ちを肌で感じたと思う」と言い、できれば来年も下田で合宿したいと話していた。