燕市粟生津地区のよさこいソーランチーム「風雅(ふうが)」が少子化でメンバーの確保が難しくなったこともあり、この夏、いったん解散することになった。毎年、出演してきた吉田まつりでは、23日午後6時半からJR吉田駅前広場で行われる踊り披露が最後の舞台となり、「風雅」の演技を楽しみにしていた見物客には見納めとなる。
「風雅」は発足からことしで13年目。それ以前、地元では小学校4年生から6年生が参加する粟生津音頭を踊る団体があった。「風雅」の練習場にしている燕市粟生津体育文化センターの職員、小林知子さん(48)の知り合いが新潟市で行われる国内最大級のダンスフェスティバル「新潟総踊り」の事務局だったのがきっかけで、小林さんが声をかけて小学生のチームとして「風雅」を発足した。
当初は舞童塾(ぶどうじゅく)「風雅」を名乗った。その後、小学校を卒業してからもよさいこソーランを続けたいという要望を受け、これとは別に卒業生による「風雅」も発足。新潟総踊り祭実行委員会から「新潟総踊り連」の称号を受けた。
最盛期、メンバーは小学生だけで60人にものぼったが、少子化もあって近年は減る一方だっため、舞童塾はやめて新潟総踊り連「風雅」に一本化した。
ことしは6年生7人だけに減った。このままでは来年はメンバーがいなくなることから、解散を決めた。これまでも県内では小学生でつくるよさいこソーランチームはほとんどなく、解散を惜しむ人は多い。
吉田まつりには卒業メンバーも参加しており、ことしは最後ということで例年より多い19人の卒業生が参加し、計26人で9年前からレパートリーにしている「天の祝人(あまのはふりと)」を踊る。21日夜は吉田まつりに向けた最後の練習を行った。
「風雅」の発足当初、小学校4年生から参加した星野瑠花さんも今では21歳の会社員。中学生のころに部活で一時的に中断した以外はずっと「風雅」で練習を続けている。
「踊ってるときも、踊ったあとも楽しい。人に見られるのも慣れて、人前で踊るのは緊張するというより、わくわくする感じ」と、星野さんにとって踊りは日常。「できれば続けたい」と切望する。
毎週水曜の練習につきあってきた小林さんは、長い道のりを振り返って「ほっとしている」と正直な気持ち。「風雅」が解散しても地域のよさこいソーランの活動は否定しておらず、新しい形で仕切り直して再出発する可能性が高そうだ。9月の「新潟総踊り」が「風雅」の最後の舞台になる。