日本三大燈籠まつりのひとつとされる弥彦燈籠まつりがことしも24日から26日までの3日間、弥彦村で行われた。2日目の25日は重要無形民俗文化財「弥彦神社燈篭おしと舞楽」をはじめ花火大会や弥彦山たいまつ行進も組み合わされ、弥彦神社や弥彦温泉街を舞台にテーマパークと化したような複合的な空間を生み出し、まつりは最高潮に達した。
25日の燈籠神事を核としたまつりで、「弥彦燈籠押し」と呼ばれて県外からも大勢の見物客を集める。25日は午前9時から弥彦神社で大祭のあと燈籠まつり駅伝大会、午後から芸妓連花燈籠、青年・子ども燈籠押し、里神楽の奉納、お欅(けやき)引きなどが行われた。
大燈籠はことしも12の講中が参加した。大燈籠は角材を格子状に組んだ木枠に造花やぼんぼりを載せたもの。宿下がりとし7時から講中ごとに拝殿前に大燈籠とともにおはらいを受けたあと、宿元の宿泊施設の前で木遣(きや)りを歌ったり、盆踊りやよさこいソーランを踊ったりして盛り上げた。
一方で6時20分に弥彦山たいまつ行進が弥彦山山頂を出発。県山岳協会の会員144人と一般20人がたいまつを手に下山し、弥彦神社に参拝。このころから弥彦公園では花火大火が始まり、花火の光彩が輝き音が響く中、温泉街を行進。大燈籠は再び弥彦神社戻ってから総勢約千人にものぼるみこし渡御と大燈籠巡行が行われた。
大燈籠は2基で押し合う燈籠押しを披露して出発し、木遣りを歌って上に高く差し上げたり、上下したり、回転させたり激しくもみ、気勢を上げて練り歩いた。11時過ぎに弥彦神社に帰着すると、大燈籠を拝殿前の仮舞殿の欄干と同じ高さに据え付け、仮舞殿で稚児が秘舞「神歌楽(かがらく)」と「天犬舞(あまいぬのまい)」を舞って終わった。
この日は県内各地で真夏日となる猛暑。夜も蒸し暑く、まさに熱気に包まれた。講中同士で声を荒げるような場面もあったが、終盤にはクールダウンさせるように小雨がぱらつき、潮が引くように日常を取り戻していた。
花火大会は、以前は路上にぎっしりと見物客が集まって身動きがとれないほどだったが、道路をはさんで弥彦公園向かいの旧弥彦グランドホテル跡地が整備され、ビニールシートを敷いてゆったりと花火見物を楽しんでいた。