あらゆるモノがインターネットや相互通信でつながる「IoT(モノのインターネット」がさまざまな分野で注目されいることから、燕市は26日午後6時半から市役所で「IoT×ものづくり」」セミナーを開き、製造業を中心に地元企業から30人近くが受講した。
富士通株式会社ネットワークサービス事業本部IoTビジネス推進室の原博一さんを講師に「ものづくりにおけるIoTの現状・将来性」をテーマに約1時間の講演を聞いた。
IoTは1999年に米・マサチューセッツ工科大学Auto-IDセンターの共同創設者が考案した用語で、それほど新しいものではない。技術面では、IoTは特別なイノベーションがあったわけでなく、仕組みそのものは言葉を変えて以前からエレベーター監視や店舗のPOSシステムなどで存在した。
ビジネス面では競争激化や変化の加速に対応する手段としてのIoTが注目され、さまざまな社会問題に対してICTを使った解決策が有効になっている。
IoTはあらゆる分野で活用が求められる。製造現場の工場の一例では、IoTの活用によりセンサー技術やクラウド普及でこれまで収集不可能だったデータを用いた分析が可能になり、アナログ情報のデジタル化、遠隔情報の見える化により、真因特定、コミュニケーション円滑化が実現し、生産性が向上。さらにはAIを活用した工場の完全自動化やバーチャルリアリティーが生かされる時代の到来も予想される。
IoTの市場はこれからも拡大を続け、あらゆる産業で既存のビジネスモデルや産業構造の変革が不可避になる。原さんはほかに富士通のIoTの取り組みなどについて話し、受講者はそれぞの職場でのIoTの生かし方を想像しながら聴講していた。