県内外の4WD(四輪駆動車)愛好者が7月31日、長岡市・野積海岸でことしで31回目になったクリーン大作戦を行い、200人近くが参加して砂浜のごみを拾い集めた。
午前9時にごみ拾いを開始。11時半までの予定だったが、ことしは例年よりごみが少なく、10時半ころには終わった。500メートル以上の長さで砂浜の流木やペットボトル、発泡スチロールなど、4トントラックのコンテナ半分ほどのごみが集まった。県央地域を中心に県内各地から4WD愛好者が集まり、県外は群馬県から訪れた人もいた。
この日は雲が目立ったものの寺泊の最高気温は32.8度の猛暑。焼けた砂浜の気温はそれ以上だったが、ごみ拾いのあとはバーベキューをしたり、水上オートバイに乗ったりと、いつものように夏の海を満喫していた。
野積海岸には大河津分水路から日本海へ流れ込む土砂が堆積(たいせき)するため、大河津分水路から上流で洪水などがあると一気にごみも増えるが、この1年は水量が大きく増えるような大雨がなかったのでごみが少なかったようだ。
4WDの愛好者は、団体を作っているわけでも名称があるわけでもないが、家族ぐるみで工場内のクレーンやエレベーターのメンテナンスをする燕市道金、自営業武藤覚さん(65)が代表を名乗る。武藤さんはクリーン大作戦を始めた30年以上前から野積海岸の砂浜に4WDで乗り入れる愛好者のひとりで、愛好者の間ではまさに生き字引だ。
30年前はまだ4WDに乗る人が少なかった時代。自然に野積海岸に4WDの愛好者が集まるようになり、県外から訪れる人も多かった。武藤さんによると、クリーン大作戦は「海で遊ばせてもらってるし、せめてごみでも拾うかと。自分たちのごみは自分たちで持ち帰ろうじゃないか」と始まった。今は毎年7月最後の日曜に行っている。
1997年に島根県隠岐島沖で発生したナホトカ号流出事故のあった年は、砂浜に打ち上げられたボールのようになった重油を拾ったこともある。以前は旧寺泊町や観光協会ともタイアップし、ピーク時は500人もの参加を数えたが、旧寺泊町が長岡市に吸収合併されてからは4WD愛好者だけで行うようになっている。
「本当は子どものうちからごみを捨てちゃだめと教えなきゃいけない。ごみを拾わなくていい教育をしなければ。ごみを出さないようにするのが前提」と武藤さん。古くなって撤去したが、「ごみは思い出と一緒に持ち帰りましょう」とある看板を立てたこともある。
最初から30年以上、続けるのを目指したらなかなか続くものではない。「みんな海が好きだから。クリーン大作戦のたびにみんなに会えるし」と、とっくに還暦を過ぎたとはとても見えない武藤さんは笑った。