夏休みの小学生が4泊5日で三条市、燕市、弥彦村と計100キロを踏破する「寺小屋つばさ100km徒歩の旅」が7日、スタートした。この日は三条で最高気温35.5度を記録するこの夏、初めての猛暑日に見舞われ、参加した98人の小学生の第一の試練は熱波との戦いだった。
午前8時前に出発地の三条市下田地区の日帰り温泉「いい湯らてい」駐車場で結団式を行った。奇勝八木ヶ鼻を仰ぐ真夏の抜けるように青い空の下、100km徒歩の旅の綱領を唱和し、実行委員会の嘉瀬一洋会長、坂井伸団長があいさつし、久住とも子三条市教育部長と相場健一郎燕三条青年会議所理事長が激励した。
参加者の代表の2人が「最後まであきらめず全員で4泊5日100kmの道のりを歩き抜くことを誓います」と完歩宣言を行い、ラジオ体操、最初のチクサクコールで気勢を上げ、記念写真を撮ったら、全員が保護者や関係者らとハイタッチして出発だ。
三条市、燕市、弥彦村の4年生以上の小学生を対象に毎年行っている事業で、ことしで9回目になり、昨年を20人上回る過去最多の98人が参加。親元を離れて100キロを歩き抜き、最終日は弥彦山登山も行う。
おととし、昨年と比較的、涼しい100kmだったが、この日の三条は午前9時でも早くも31.9度と30度を超え、最高気温は35.5度のこの夏いちばんの猛暑を記録。炎天下に立っているだけで汗が噴き出し、体力を奪われる熱波が子どもたちの前に立ちはだかった。
最初の休憩ポイントは旧荒沢小学校まで約3kmを歩いた。すでに暑さで顔を真っ赤にしている子どもも多く、到着するとさっそく恒例の冷水を首にかけてもらい、体育館で三度笠を外してリュックサックを下ろして休憩。十分に水分を補給し、「あと97km!」と子どもたちなりにプラス思考していた。
直接、運営に携わるのは、毎週のように研修を重ねてきた大学生や専門学校生38人と中高生5人の43人。子どもたちが休んでいる間も打ち合わせしたり、子どもたちのようすを報告したりと、体を休めても頭は休ませずに集中していた。
4泊5日の間、子どもたちは親元を離れてまったく接触せずに過ごすことで子どもたちの成長はもちろんだが、親にとっても同様。ゴール後に涙を親子で無事で再会して涙を流すが、この日も早くも目を潤ませるお母さんもあり、5日間で親子ともほかでは代え難い体験や学びを獲得する。