硬木で高品質なはしを製造するマルナオ株式会社(福田隆宏社長・三条市矢田)は7日、同社のオープンファクトリーで「竹箸(たけばし)作り&流しそうめん大会」を開き、自分で作ったタケのはしで夏の風物詩の流しそうめんを味わってもらった。
同社ではいろいろな場所ではし作りのワークショップを行っており、夏休みにあわせて子ども向けに企画した。
おととし11月に新社屋に移転したのを機に、優待特典やプレゼント、イベント告知などが受けられるメンバーズカードを発行し、これまで1,200人に発行した。
竹箸作りは午前に2回に分けて小学生を対象に9人ずつ募集し、メンバーズカード所有者に案内してから一般向けに募集する計画だったが、メンバーズカード所有者だけで募集開始から2日間で定員に達したため、一般募集を見合わせた。
はしの素材をタケにし、流しそうめんにもタケを使ったのには、わけがある。同社裏手はタケばやしがあり、雪が積もると雪の重さでタケがしなって建物に倒れかかってくる。このタケを伐採し、逆にワークショップにタケを生かすことにした。
ワークショップ専用に作った治具(じぐ)でタケを固定しながらミニサイズのかんなで削るだけ。しかしかんなを使うのは意外に難しく、子どもたちは集中して作業。社員がそばにつき、手取り足取りで指導した。
そして昼は参加者、その保護者、さらに流しそうめんだけの参加者もあり、約60人が参加。竹林から切り出したタケを縦に半分に割ってつなげ、長さ約15メートルの2レーンを作った。
流しそうめんは三条市の料理店「魚兵」が用意し、こだわりのめんつゆに地元産野菜や冷しゃぶも用意した。この日、三条は最高気温35.5度のこの夏初めての猛暑日を記録するうだるような暑さだったが、流しそうめんは涼味満点。子どもたちは流れてくるそうめんをはしですくって夏の風物詩に夢中だった。
福田隆宏社長は「地元の子どもたちから、はしやかんなの使い方を知ってもらい、ものづくりに興味をもって、できれば未来の職人になってほしい」と話した。