ことしで9年目、過去最多の98人が参加した「寺子屋つばさ100km徒歩の旅」は11日、ことしも4泊5日をかけて全員が弥彦山登山を含む100kmを歩き抜いてゴールした。
夏休みに小学生が4泊5日で三条市、燕市、弥彦村と計100kmを踏破して心身を鍛練し、成長を手助けする事業。参加したのは三条、燕、弥彦の4年生以上の小学生で、7日にことしも三条市下田地区の日帰り温泉「いい湯らてい」を出発し、11日午後4時前に弥彦村役場となりの弥彦村農村環境改善センターにゴールした。
昨年は涼しい100kmで物足りないくらいだったが、ことしは初日7日から三条でこの夏最高の35.5度を記録、翌8日も34.9度の厳しい暑さが続いた。続く9日は一転して雨が降り、10、11日は最高気温が30度前後としのぎやすくなったとはいえ、子どもたちは大丈夫だったが、子どもたちをサポートする学生スタッフでも数人が熱中症で体調をくずした。
最終日の弥彦山の早朝登山が恒例。それまで4日間で体力を大きく消耗してからの登山は過酷だ。全員でゴールを迎えるため、前日に隊列から大きく遅れてしまった2人だけ別に夜明け前に登山を開始し、坂井伸団長をはじめ4人のスタッフのサポートで一緒に登った。坂井団長は山を下りると再び本隊の登山に同行したので結局、続けて2本、弥彦山登山を行った。
ゴールには子どもたちの家族ら300人近くが子どもたちを迎えた。スタートしたときよりはぐっと肌が黒くなり、三度笠やTシャツにマジックで書かれた寄せ書きが子どもたちの勲章だ。
9つの班ごとにスタッフとハイタッチしてゴールのテープ前に整列し、一列に横並びになって最後の一歩を踏み出してテープを切った。テープを切る前に「ここで最後の一歩じゃなく、これからの新しい一歩は新しい道の始まりです」、「最後で最初のいーっぽ!」などとあかじめ考えていた言葉を言い、全員が順番に一言ずつ感想を発表する班もあった。
家族にはスタートからゴールまで子どもたちのようすを見ることが許されいない。子どもの姿が見える前から目を潤ませているお母さんもいれば、ゴールが近づくにつれて目を赤くする子どもが増えた。
テープを切ると抱き合って涙を流す親子も多く、「お帰り!」「頑張った、良く頑張った!」と子どもをほめてあげてまた涙。泣きはらして「お母さんがわからない!」とパニックのようになってお母さんの姿を探す子どももいた。
照れ隠しもあるのか、「腹減った」とさっそく甘える子どももいたが、だれもが日常では決して体験できない感動を味わっていた。
その後、屋内で解団式を行い、坂井団長から子どもたち一人ひとりに完歩賞を手渡した。子どもたちは5日間で練習した合唱を披露したり、記念撮影をしたり。あいさつで坂井団長は「ここまで無事に全員が完歩できてほっとしている」と話していた。