7月の第50回全日本女子学生剣道選手権大会で優勝した燕市出身の日本体育大学2年小川萌々香(ももか)さん(20)が盆で帰省したのにあわせて、小川さんが5歳のころから剣道を学びに通った地蔵堂剣士会が12日、地元で祝勝会を開き、地蔵堂剣士会の関係者や友人など30人近くが出席して快挙を祝った。
大会には全国から地区予選を勝ち抜いた64人が出場し、小川さんはその頂点に立ち、大学チャンピオンになった。小川さんはこれまで個人戦で全国一になったことはない。地蔵堂剣士会出身選手では、中学生の全国中学生体育大会での優勝はあるが、大学生の全国一は初めてだ。
小川さんの実家は燕市分水地区にあり、剣道をやっていた父の影響で、5歳のころから地元の地蔵堂剣士会で学び、女子剣道の名門、燕中学校で2年生と3年生のときに2年連続で団体戦で全中優勝。3年生は主将の重責も果たした。
高校ではやはり名門の福岡県太宰府市・筑紫台高校へ進み、インターハイには出られなかったが、3年生のときに高校剣道界の3大大会のひとつ、玉竜旗全国高校剣道大会で団体優勝を飾り、日体大へ進んだ。
今回の大会では、関東地区予選となる第48回関東女子学生剣道選手権大会ベスト8で出場権を獲得し、優勝をさらった。小川さんは「優勝はねらっていなかった。上位入賞は目指したけど、とにかく目の前の相手に勝とうということだけ考えた」。
勝因につていは組み合わせなどで「運が良かった。上位の選手が次々と負けた」。1回戦はあぶなかったが、それ以降はすんなり勝てたと言う。「まわりの人に本当に支えられているので、恩返しがしたいという気持ちで戦った」と振り返り、「優勝したからといっておごらずに、常に挑戦していくという気持ちでいたい」と気を引き締める。
9月11日に長野県長野市で開かれる第55回全日本剣道選手権大会に今度は新潟県代表として出場が決まっている。社会人も対象に全国一を決める大会で、祝勝会はその激励会も兼ねていた。
この大会では「力がどれだけあるのか試したい」と言い、次の目標は「大学で団体戦日本一となるために貢献できる選手になりたい」と言う。
地蔵堂剣士会の会長は金山則夫さん(72)。自身の娘が剣道を始めたいと思ったのがきっかけで、ちょうど30年前に発足させた。小川さんのことは5歳のころから知っていて「自分の子や孫のような気持ち」。その気持ちは小川さんも同様で、金山さんのことを「おじいちゃん」と呼ぶ。
「優勝を聞いたときは、びっくりした。その前に全日本剣道選手権大会の出場が決まったときは“やったー!”と思った」と金山さん。全日本剣道選手権大会では「ひとつでも多く勝ち進んでほしい」と言い、大会にはマイクロバスで地蔵堂剣士会の子どもたちを応援に連れていき、刺激にする考えだ。
祝勝会では小川さんに花束と剣道胴をプレゼント。酒も飲める年齢になった小川さんの大きな成長をみんなで喜んだ。