燕三条地域の金工家5人でつくる水燕鎚工会の作品展が28日まで燕市産業史料館で開かれている。鎚起銅器をはじめ彫金なども施された花器や水注、ぐいのみ、オブジェなど44点が展示されている。
人間国宝の玉川宣夫さんをはじめ、合併前の燕市と分水町の金工家が研究団体として1986年に発足。燕、分水の名称から「水燕」と名乗った。同史料館での作品展は毎年恒例。会員は2人が退会、1人が入会して昨年より1人減ったが、展示作品数は例年と変わらない。
毎年、テーマにあわせた作品を1人1点ずつ制作しており、今回のテーマは「果実」。椛沢伸治さんは「柿」。3つのカキの実と緑青に仕上げた枝葉を組み合わせ、カキの実のうち1つは床に置いて色も微妙に変え、落果を表現。高橋純一さんは「食後のデザート」で皮をむいている途中のリンゴを皮も含めて実物と見間違うようなリアルな表現で見せる。
早川常美さんの「あけび」は銅板のレリーフで、アケビの実とつる、葉を打ちだし、背景も含めて硫化仕上げなどでさまざまな発色を見せる。石高靖男さんはの「柿 香合」で、文字通りカキの実をモチーフに香合を製作。細野五郎さんの「バナナの花入れ」は銅に金メッキを施したもので、皮をむいた果実は空洞になっていて、皮から引き抜いて逆向きに刺すこともできるユニークなアイデアを形にした。
日曜の14日、21日、28日はいずれも午後2時から会員による作品解説会を開く。午前9時から午後4時まで開館、入館料は高校生以上300円、子ども100円、土、日曜と祝日は燕市内の小中学生と付き添い保護者1人が無料。問い合わせは同史料館(電話:0256-63-7666)。