株式会社タダフサ(三条市東本成寺・ 曽根忠幸代表取締役)は11日、同社で「タダフサの夏まつり」を開き、初めて本格的に子どもたちから機械を操作してもらう体験をしてもらった。
昨年10月に本社内にオープンした直営店「庖丁工房タダフサ ファクトリーショップ」が初めての夏を迎えたことから、地域の人、里帰りや旅行で新潟に来県した人に楽しんでもらおうと初めて企画。「家族で、夏を楽しむ」をテーマに工場体験&端材ワークショップ、和包丁の特価販売、山野刀の展示販売、職人による庖丁研ぎ直しなどを行い、切れ目ない来場者でにぎわった。
機械を操作してもらったのは、工場体験&端材ワークショップ。サバ裂き包丁を型抜きし、同社の端材と組み合わせてひもでつるし、風鈴を作るもので、厚さ1.8ミリの鉄板をスプリングハンマーでたたき、続いてプレス機でサバ裂き包丁の形に型抜きする作業を自分で機械を動かして行った。
スプリングハンマーはペダルを踏むと機械式のハンマーが繰り返し材料をリズミカルにたたく。耳を悪くしないようヘッドホンの着用が必須の音の大きさは迫力満点。音に怖がってお父さんに代わってもらう子どももいた。
プレス機はペダルを1回踏むと、やはり大きな音とともにさっきまで四角で平らだった鉄の板が、手品のように一瞬でサバ裂き包丁の形に抜かれる。そのパワーは百聞は一見にしかずで、頭では理屈がわかっているおとなの方が驚いていた。
大阪府茨木市に住む高浪和彦さん(40)は、妻と6歳の長男と4歳の4人で訪れた。三条市出身で高校卒業後、関西でデザイナーとして働いている。里帰りして友人に誘われて来場。「こういう工場に入ることがないので新鮮」で、「子どもよりおとなの方が夢中になってる」と貴重な体験を喜んだ。
燕市内のガソリンスタンドで働く新潟市西蒲区に住む竹内洸二さん(27)は、小学校1年の長男と2人で包丁の研ぎ直しをしてもらおうと訪れた。妻が名入れができるいい包丁がほしいとネットで探してタダフサのオンラインショップにたどり着き、包丁を購入したタダフサの愛用者。ホームページで包丁の研ぎ直しを知り、タダフサの包丁を持参して訪れた。
体験に「子どもは音にびびってましたね」と笑い、「ものづくりとは関係ない仕事なので、あんなに大きな機械を操作できるのは気持ちいい」と大満足だった。