子ども向けの職業体験型テーマパーク「キッザニア」と連携して三条市内の企業で子どもたちがものづくりを体験する「キッザニア マイスター フェスティバル in 三条」が19、20の2日間開かれており、28コースに合わせて326人の小中学生が参加している。
初日午前8時半から三条ものづくり学校で開会式を行い、ここが集合場所になっている小中学生9人が参加。国定勇人三条市長は、父の仕事は小学校の高学年ころに海水を真水に変える仕事と聞き、おとなになって世界初の技術の浸透膜を作っていたことを紹介。日ごろ親がどんな仕事をしているのか、将来どんな仕事に就きたいかを「実感して肌身に感じてもらえるすばらしいイベント」と子どもたちの体験での収穫に期待した。
キッザニアを運営するKCJ GROUPの住谷栄之代表取締役は「地元にこんなにいい会社があると実感してほしい」、「勉強は半分くらいで社会体験や職業体験をしてほしい。自分でやってみることが必ず長い人生のなかで役に立つ」と話した。
キッザニアマイスターの特派員となる子どもたちに一人ひとり国定市長から任命状を手渡し、代表して西鱈田小4年駒形悠斗君が仕事をするに当たっての決意表明。駒形君はナシが好きで、ナシがどうやって作られているか知りたくてナシ農園を選んだ。それと盆にいろんな人から小遣いをもらい、「当たり前と思っていた小遣いを、みんなが働いたお金をぼくにくれた。毎日働いてお金をもらうのは大変だと思う。ぼくも一生懸命に働くのでよろしくお願いします」と決意を示した。
ニッパー型のつめ切りで世界に市場を広げる株式会社諏訪田製作所(三条市高安寺・小林知行代表取締役)では、小学校2年生から中学校3年生まで9人が参加した。うちひとりはことしから行っている2日間通しのコース。全員で工場内を見学したあと、ベーダーマシンと呼ぶ機械でつめ切りの柄を研磨する作業に挑戦した。
前掛けに軍手、ゴーグルを着用してベーダーマシンの前に座り、高速で回転するベーダーマシンの紙やすりに柄を押し当てると、線香花火のように火花が散る。社員が手を添えながらの作業なので危険はなく、柄の研磨した部分はぴかぴかと光沢を放ち、達成感はたっぷりだ。
モーターのうなる音、研磨による摩擦音や焦げくさいにおいなど、ものづくりのだいご味や緊張感を五感で味わっていた。
「キッザニア マイスター フェスティバル in 三条」はことしで3年目。住谷代表取締役は、「社会体験あり、職業体験ありで自分の肌で感じることができる」と言い、「グローバルはローカルという意味ももっている。英語を話せるだけではだめで、本当のグローバルは日本のことをわからないと」と、ローカルを知るためにもこのフェスティバルが機能することに期待していた。