市内中学校にすべてにサッカー部がなく、サッカーの練習場もない燕市に子どもたちがサッカーを練習できる環境の整備を市に求めるだけでなく、付帯設備の費用を地元企業が寄付して気運を盛り上げようと、「燕市内の子供たちのサッカーを支援する会」(青柳修次代表)は、9月半ばから1億円以上を目標に企業の寄付を募る。
燕市内の中学校にはこれまでサッカー部が存在したことがない。サッカー部が新設が理想だが、文科省の方針もあって実現は難しい。市内には中学生のジュニアユースのクラブチームが2つあるが、フルコートのサッカー場がとれるグラウンドがない。
燕市吉田ふれあい広場にサッカー場があるがナイター施設がなく、夜の練習が基本のクラブチームの練習場にはならない。そこで市にナイター施設のある全天候型のフルコートのサッカー場の建設を求め、その付帯設備にかかる費用を法人の寄付でまかなうことで、建設の気運を盛り上げることができればと、2014年春に支援する会を発足した。
燕市をはじめ議会や教育委員会、体育協会などに環境整備を陳情し、ことし6月の燕市定例会では環境整備の請願が採択され、実現に向けて大きく一歩、前進した。
現在、支援する会では10数社が法人会員になっているが、燕市内を中心に200社以上の法人会員を目指す。寄付目標は1億円以上で、燕市子ども夢基金に積んで環境整備の付帯施設の充実に充ててもらう。付帯設備は冬場も練習できる屋根付きの練習場などを考えている。
支援する会は17日、記者会見を行い、会員企業の中村自動車、長谷川挽物、タケコシ、カンダ、関川工業、阿部工業などの代表者も出席した。
支援する会代表の会社社長青柳修次さん(54)も少年時代、中学校にサッカー部がないことに落胆したひとり。燕中学校に入学したらサッカー部に入るつもりだった。高校でようやくサッカー部に入ったが、「サッカーは高校からでは間に合わない」。
青柳さんは、これまで旧燕工業高校サッカーOBが中心となって40年以上にわたり限られた環境のなかで子どもたちのサッカー指導を続けてきたことに感謝し、「市に練習場を作ってもらうだけでなく、企業としても感謝の気持ちをあらわしたい」とし、「企業は雇用と納税だけ守っていればいいというわけではない」と企業の社会貢献の必要性を訴えた。1億円の目標達成は2年後をめどにしている。
燕市サッカー協会の板谷健二朗会長は「燕地区は本当にサッカー不毛の地。まったくない」と言い、サッカー環境の整った市外のクラブチームへの参加が増えていることを憂い、地元で環境が整備されることで「燕市の子どもたちが燕市のチームに入って将来、日本代表に選出されれば」と夢を語った。
「燕市内の子供たちのサッカーを支援する会」に関する問い合わせは燕市小池、株式会社青芳製作所(電話:0256-63-3442)へ。