未来の生活を考える会・三条は16日夜、三条別院で、インディアンフルート奏者のマーク・アキクサさんによる「ネイティブアメリカンフルートコンサート in 三条別院」を開き、保養に訪れていた福島の子どもたちをはじめ100人を超える観客が、本堂を包みこむような柔らかな音色に魅了された。
三条別院の三条教区災害支援実行委員会では、2012年から福島県内の子どもたちに屋外でのびのび過ごしてもらおうと、長期の休暇にあわせて保養プロジェクトを実践している。この夏休みも福島から小学3年生から6年生までの12人が三条別院を訪れ、その子どもたちにマークさんの演奏を聴かせたいということで、コンサートが実現。あわせて市民にも来場を呼びかけた。
インディアンフルートは、アメリカ先住民に伝わる木製の縦笛。「北米先住民の祈りの言葉を奏でる」とも称されるマークさんの演奏が始まり、インディアンフルートの美しく優しい音色が、金色に輝く須弥壇と本尊を中央にした本堂に柔らかく響き、幻想的な雰囲気に包まれた。
この日の三条は35.8度まで気温が上がる猛暑。午後7時でも31.0度の暑さで、扇風機だけの本堂は座っていても汗が流れる暑さだったが、須弥壇(しゅみだん)の本尊を背にマークさんの演奏が始まるとうちわであおぐ手も止まり、暑さも忘れて聴き入った。
先住民の曲や『アメイジング・グレイス』、『大きな古時計』など心にしみる演奏に、年配の女性は「素晴らしいわね、どきどきしちゃう」と大きな拍手を送っていた。
マークさんは、福島の子どもたちに、ネイティブアメリカンの考え方も聴いてほしいと、「彼らは、大地はお母さん、天はお父さん、天と地の間にある世界はすべてきょうだいなんだよという考え方」と伝えた。木や山、花や、わたしたち一人ひとり、すべてにスピリット、精霊が宿っていて、それはみんなきょうだいという考えで、日本も同じような考え方があり、この部分では一緒だと感じたと話した。
マークさんの話やインディアンフルートの演奏を聴いた福島県の小学4年生の女の子は、「きれい」、「すごく心に残る演奏」と話していた。