神社へ出向いて参拝することが困難な施設に入所しているお年寄りに、施設に出向いて参拝してもらおうと、西蒲原地域の50歳以下の神職15人が会員の西蒲原神道青年会(会長・渡辺太蔵戸隠神社禰宜)は23日、弥彦ケアセンター(小林武志施設長・弥彦村弥彦)へ出向き、神職8人による超豪華版の敬老長寿祭を行った。
同施設の定員はショートステイ20人、デイサービス10人で、敬老長寿祭にはそのうち26人のほか、家族や施設職員も参列した。神事は西蒲原神道会会長である燕市・戸隠神社の渡辺禰宜(42)が斎主、地元弥彦神社の2人、燕市分水地区の1人が祭員を務め、さらに弥彦神社の1人が進行役にあたる典儀、3人が雅楽を演奏する伶人を担当。総勢8人の神職で行い、戸隠神社のキャラクター「つばくろちゃん」も参列した。
伶人が笙、篳篥、竜笛で雅楽を奏でるなか、神職が会場へ入って参進する荘厳な雰囲気で始まった。まるで神社で行われる大祭のようで、神社の外で行われる地鎮祭や安全祈願祭ではあり得ない豪華な神事。参列者も厳かな気持ちになり、施設利用者の代表も玉ぐしを捧げて長寿を願った。
神社へ参拝したくても施設に入所する人たちは神社へ行くことができない。また、地域を盛り上げていくには、子どもたち以前にお年寄りに敬意を払うことが大切と、初めて行った。同施設の加藤益朗取締役・総務チーフが弥彦神社氏子青年会会員で新潟県氏子青年協議会会長に就いているという縁で同施設で行うことになった。
渡辺禰宜は「お年寄りの皆さんが早くからきょうを頼みにしたと聞いた。ちょうど体験学習に来ていた中学生も見てくれて、次の世代へとつながった感じもして良かった」と喜んだ。まだ形は決めていないが来年以降も続けていく計画だ。
体験学習に訪れていたのは地元弥彦中学校の生徒で、同施設で体験学習を行っていた2人に加え、弥彦神社で体験学習を行っている2人も手伝いに訪れた。弥彦神社で体験学習中の2年生阿部光苑さん(13)は弥彦神社の神事は何度も見ているが「神社から移動してこういうのをするのを初めて見た」と新しい発見をしていた。