26日から9月1日まで弥彦村で行われている大相撲伊勢ヶ浜部屋の夏合宿で29日、横綱日馬富士、大関照ノ富士、関脇宝富士ら関取が合流。午後に燕三条駅に到着してナシ狩り、もちまき、激励会に参加した。
ナシ狩りは午後4時過ぎから大島園芸振興協議会ナシ部会部会長でもある岩本国幸さん(42)=三条市荻島=が代官島地内に所有するナシ畑で行った。翌30日から大島園協で出荷が始まる品種「豊水」を栽培している。
2012年6月に伊勢ヶ浜部屋の力士が三条市を訪れて交流会を開いたのが縁で、9月に三条市大島地区の農家と伊勢ヶ浜部屋三条後援会で大島産のモモやナシを届けた。日馬富士は「横綱になったらまた三条に行く」と約束し、直後の9月場所で優勝して横綱に。その約束を果たすためにナシ狩りに訪れた。
地元の数十人が待つなか、伊勢ヶ浜親方をはじめ関取を乗せたバスが到着。すぐに棚に枝を広げたナシ畑に背中を丸めて入った。日馬富士はナシの実をねじりながら持ち上げるだけで簡単に実がもげる、ナシのもぎ方を教わるとさっそく自分でも挑戦し、あまりの簡単さに「なるほど」と感心。もいだ実をそのまますぐにかぶりつき、「いや〜うまいですね、これは!」と声を上げた。
日馬富士は初めてのナシ狩りに「ナシのジュースを飲んでいるみたいだった」と新鮮なナシの味覚に驚き、集まった人たちに求められると、日馬富士は子どもを抱き上げたり、記念写真に写ったりと気さくに応じていた。
ナシ狩りが終わると弥彦村へ向かい、弥彦公園前駐車場でもちまきに参加。約1,500人もが詰めかけ、6回に分けて入れ替え制で行った。台風10号接近のフェーン現象で猛暑に見舞われ、大量のまちまきは重労働。若手力士でも汗びっしょりになっていた。
まちまきは、菓子のほかにもちには宿泊券や商品券も一緒に入っており、もちまきが始まると取り合いに熱中。終わると日馬富士を中心に写真を撮るなど忙しかった。昨年、弥彦神社相撲場開きの日馬富士の土俵入りで日馬富士にサインや握手をしてもらった地元の80歳代の女性は「力士は巨大で雄大で。きょうも最後に日馬富士に握手してもらった」と喜んでいた。