泉田知事の知事選不出馬を定例市長会総会の席で聞いた国定勇人三条市長は、泉田知事の撤退発表の文章について「この文章表現に知事の人柄が表れてるなというのが率直な気持ち」と撤退してなお批判的だ。
「この秋の新潟県知事選挙からの撤退について」と題した撤退発表の文章について国定市長は、ふつうの感覚なら泉田知事を推す多くの人たちに対する思いがもうちょっと表れるのではと疑問を示した。
国定市長から見ると、撤退理由の本質ではないと思われる新潟日報の話だけを取りあげ、自分の責任ではなく、新潟日報のせいでやめるという表現。支援してくれた人に申し訳ないという気持ちは最後の2行だけで、「この文書そのものにすべて凝縮されている」とした。
こうした性格で仕事をしてきた結果が、繰り返し指摘してきた関係方面との信頼関係を構築できなかったことにつながっていると指摘した。
撤退が伝えられたのは、ちょうど泉田知事と森市長の推薦願いの取り扱いを話し合っていたところで、それぞれの市長がそれぞれの立場があるなかで会場の雰囲気は「一気に解放されたような、緊張感が抜けたような感じになっていた」、国定市長も率直に「びっくりした」。
森氏を推す立場として、3期12年の泉田県政を振り返り、現状を確認したうえで次の4年間はどっちの道をとるかを県民から認識、判断してもらう民主主義最大の舞台装置である選挙に対して、真摯に向かい合っていこうと言う矢先。知事選で県民の信任を問う大事な選択の機会は、新潟県の発展を考えると通過しなければならない非常に大切な舞台装置だと思っているのに、その当事者がこのタイミングでの撤退は「複雑な思い」とも。
これで選挙がなくなったわけではなく、自身は誰が立候補しようと森氏を支持し、「引き続きこれまでの新潟を振り返り、そのうえで森さんが描いていくであろう新潟の将来像を三条市民のために訴えていくという役柄は、引き続きやっていかなければいけない」と話した。
また、泉田支持を打ち出していた小池清彦加茂市長は電話取材に対して「ただ一言です。極めて残念です」とだけ話した。